初恋のつづき
「……今も、そんなうっかりやったりしてんの?」
そんな私を伺い見ていた名桐くんがテーブルに頬杖をつきながら、その表情を少し元に戻して聞く。
「やっ、やってないよ!今はお弁当作ってないから!っていうかそもそも、」
そもそも作っていたとしても、一人だからそんなうっかりやりようがない、そう続けようとしたら、そこにタイミングよく「お待たせしましたー」といくつかの料理が運ばれて来る。
このお店名物だという大きな鶏の唐揚げに、明太チーズ入りだし巻き卵、半熟卵のポテトサラダに……。
「次、何飲む?」
「あ、じゃあ同じので……」
私の空になったグラスを見て名桐くんが聞いてくれて。
「ん。すいません、カシオレとハイボール追加で」と頼んでくれる。
そうしてテーブルに並べられていった料理は間違いなくどれもとても美味しそう、なんだけれど。
「ほら、鴨肉のシソ巻き。好きなだけ食え」
「……えっ!これ⁉︎」
私が食べたいと言っていたそれの乗っているお皿を名桐くんがこちらへズイッと差し出してくれた時、思わず私の口から驚きの声が漏れてしまった。
なぜならそれは、私が想像していたビジュアルとは全然違っていたから。
なんていうか、てっきり私はその名前から豚バラのシソ巻きみたいに、《《鴨肉で》》シソの葉をくるっと巻いたものを想像していた。
だけど、今私の目の前にあるそれはその形をしていない。
だいぶ肉厚の辛うじて一口大にカットされた鴨肉と、その横にはシソの葉とニンニクチップが添えられていて。
どうやら察するにこれは、その《《シソに》》鴨肉とニンニクチップを乗せて巻いて食べるスタイルらしかった。
「初めて見た時、オレも同じリアクションした」
目を丸くしている私をおかしそうに眺めながら、名桐くんが追加でやって来たハイボールを煽る。
鴨肉のシソ巻きのおかげで先ほどまでの会話が完全にリセットされ、私は徐々に平常心を取り戻していった。
そんな私を伺い見ていた名桐くんがテーブルに頬杖をつきながら、その表情を少し元に戻して聞く。
「やっ、やってないよ!今はお弁当作ってないから!っていうかそもそも、」
そもそも作っていたとしても、一人だからそんなうっかりやりようがない、そう続けようとしたら、そこにタイミングよく「お待たせしましたー」といくつかの料理が運ばれて来る。
このお店名物だという大きな鶏の唐揚げに、明太チーズ入りだし巻き卵、半熟卵のポテトサラダに……。
「次、何飲む?」
「あ、じゃあ同じので……」
私の空になったグラスを見て名桐くんが聞いてくれて。
「ん。すいません、カシオレとハイボール追加で」と頼んでくれる。
そうしてテーブルに並べられていった料理は間違いなくどれもとても美味しそう、なんだけれど。
「ほら、鴨肉のシソ巻き。好きなだけ食え」
「……えっ!これ⁉︎」
私が食べたいと言っていたそれの乗っているお皿を名桐くんがこちらへズイッと差し出してくれた時、思わず私の口から驚きの声が漏れてしまった。
なぜならそれは、私が想像していたビジュアルとは全然違っていたから。
なんていうか、てっきり私はその名前から豚バラのシソ巻きみたいに、《《鴨肉で》》シソの葉をくるっと巻いたものを想像していた。
だけど、今私の目の前にあるそれはその形をしていない。
だいぶ肉厚の辛うじて一口大にカットされた鴨肉と、その横にはシソの葉とニンニクチップが添えられていて。
どうやら察するにこれは、その《《シソに》》鴨肉とニンニクチップを乗せて巻いて食べるスタイルらしかった。
「初めて見た時、オレも同じリアクションした」
目を丸くしている私をおかしそうに眺めながら、名桐くんが追加でやって来たハイボールを煽る。
鴨肉のシソ巻きのおかげで先ほどまでの会話が完全にリセットされ、私は徐々に平常心を取り戻していった。