その恋は甘くて危険【番外編追加済み】
「ははっ、冗談だよな?輝悠。未珠ちゃんだよ!お前の彼女の!」
「私のこと分からないんですか?」
私の口から出た言葉は思っていたよりも動揺して震えた。
「君のことなんて知らないけど」
ガツンとまるで頭を殴られたような衝撃を受けた。
まさか、記憶喪失……?
でも、それしては様子が……
「輝悠と橋田が戻ってきたと聞いたが……この雰囲気は何だ?何があった」
「「「組長!」」」
組長さんの声が聞こえ、そっちの方を向いた。
「輝悠の様子がおかしいんですよー!未珠ちゃんのことを知らないって……」
「何だと?」
組長さんは輝悠先輩の方を見た。
その表情は険しい。
「輝悠、お前は本当にこの娘のことが分からないのか?」
「うん、知らないよ。潤の言葉からして大切な存在だったみたいだけど」