その恋は甘くて危険【番外編追加済み】
「これで用件は済みましたから、帰りますわ。ごきげんよう、未珠さん、輝悠さん」
そう言うと、桜子ちゃんは部屋から出ていった。
何というか、桜子ちゃんって嵐のように来て嵐のように帰っていくなぁ……
「ほんと桜子と仲良くなったんだね」
輝悠先輩のその声は少し尖っている気がする。
その理由が桜子ちゃんが言っていたように本当に嫉妬なのかな……?
「嫉妬、ですか……?」
「そうだよ」
聞いてみると、肯定された。
そっか、嫉妬なんだ……
輝悠先輩は嫉妬なんてしないと思っていたから嬉しい。
「何で、そんな嬉しそうなの?」
「あ、えーと、輝悠先輩って勝手に嫉妬しなさそうだと思っていたので。私だけじゃないんだってそう思ったら、嬉しくなったんです」
「その話詳しく聞きたいところではあるけど。未珠は俺が嫉妬しないと思ってたんだ?潤や桜子曰く、俺は嫉妬深いってさ。まぁ、それは自分でも自覚してる部分ではあるけどね」