その恋は甘くて危険【番外編追加済み】
「何でもないよ」
こう答えるしかなかった。
久我先輩がヤクザだった、なんて話せるわけないよね。
「そっか!だったらいいんだけど」
気にはなってるみたいだけど、それ以上は聞いてこなかった。
ありがとう、菜々子。
「それにしても、1限から数学って怠いよねー!」
「うん、確かに。好きな教科なら嬉しいんだけどね」
話を変えてくれた菜々子に合わせて頷く。
「だよね!体育だったら嬉しいんだけどなぁ!」
「菜々子はそうだよね。私は体育は嫌いかな」
「あはは、未珠からしてみればそうだよね!未珠、運動音痴だし!」
「はっきり言うね、菜々子は」
その通りだけど、思わず苦笑いを浮かべる。
菜々子は素直なんだよね。