その恋は甘くて危険【番外編追加済み】
未珠side
「輝悠先輩……?」
今、輝悠先輩の声が聞こえた気がした。
もちろん、輝悠先輩は出かけていていないから、気のせいだと思うけど……
「何だろう、この嫌な胸騒ぎは……」
不安で不安で仕方なかった。
1人、輝悠先輩の部屋で頭から布団を被ってその日は眠った。
*
次の日。
もう昼になったけど、輝悠先輩はまだ帰ってきていない。
どうしたんだろう……?
いくらなんでも、遅すぎる。
「未珠さん、どうしたんスか?」
ぼんやりとしていると、隣にいる塩野さんから声をかけられた。
いけない、今は1人じゃないんだから……
「あ、もしかして輝悠さんが心配なんスか?」
「バレちゃいましたか……」
「そりゃそうッスよ。俺だって輝悠さんのことが心配なんス。ほんと今どこにいるんスかね」
彼は最近久我組に入ったという塩野朋喜さん。