王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
「そ、そんなのおかしいです! だって、だって――だってずっと、殿下はわたしが嫌いだったじゃないですか!」
言ってから、エイミーはハッとした。
言いたくなかったのに。口にしたくなかったのに。
ライオネルの答えが聞きたくなくて、エイミーは自分の耳を両手で塞ぐ。
耳を塞いで背名を丸めるようにして縮こまるエイミーに、ライオネルはあきれ顔を浮かべて、エイミーの両手首をつかんだ。
「聞け」
そう言って、無理やりエイミーの手を引きはがす。
「や、やだ」
「いいから聞け」
「やだ!」
駄々っ子のように首を横に振っていると、もう一度嘆息したライオネルが、エイミーをグイッと引き寄せた。
膝の上に置いていた弁当箱が転がり落ちて、屋上の床の上に中身をまき散らす。
ぎゅっと抱きしめられて、エイミーはライオネルの胸の中で大きく目を見開いた。
「一度しか言わない」
ライオネルが、エイミーの耳元でささやく。
その心地のいい低い声と、それから熱い吐息に、エイミーはふるりと震えた。
ライオネルがエイミーのふわふわな金髪をゆっくりと撫でて、ちょっぴりかすれた声で告げる。
「お前が好きだ。いつの間にか好きになっていた。だから――別れない」
エイミーは大きく息を吸い込んで、それから呼吸の仕方を忘れたように、そのままぴたりと息を止めて――気絶した。
言ってから、エイミーはハッとした。
言いたくなかったのに。口にしたくなかったのに。
ライオネルの答えが聞きたくなくて、エイミーは自分の耳を両手で塞ぐ。
耳を塞いで背名を丸めるようにして縮こまるエイミーに、ライオネルはあきれ顔を浮かべて、エイミーの両手首をつかんだ。
「聞け」
そう言って、無理やりエイミーの手を引きはがす。
「や、やだ」
「いいから聞け」
「やだ!」
駄々っ子のように首を横に振っていると、もう一度嘆息したライオネルが、エイミーをグイッと引き寄せた。
膝の上に置いていた弁当箱が転がり落ちて、屋上の床の上に中身をまき散らす。
ぎゅっと抱きしめられて、エイミーはライオネルの胸の中で大きく目を見開いた。
「一度しか言わない」
ライオネルが、エイミーの耳元でささやく。
その心地のいい低い声と、それから熱い吐息に、エイミーはふるりと震えた。
ライオネルがエイミーのふわふわな金髪をゆっくりと撫でて、ちょっぴりかすれた声で告げる。
「お前が好きだ。いつの間にか好きになっていた。だから――別れない」
エイミーは大きく息を吸い込んで、それから呼吸の仕方を忘れたように、そのままぴたりと息を止めて――気絶した。