王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
やっぱり嫌われているんじゃなかろうかと、エイミーはライオネルの腕の中でむっつりと黙り込む。好きだと言ったくせに、今あげつらったのは全部嫌いなところではないのか。
「……でも、お前が追いかけて来なくなると、落ち着かなかった。お前に別れを切り出されたときは動揺したし、ショックだった。そして別れたくないと思った。鬱陶しいと思っていたはずなのに、どうやら俺は、自分の無自覚なところでお前が好きになっていたんだろう」
「……本当に?」
「嘘をついてどうする。第一、お前が嫌いだったら、別れを切り出された翌日には嬉々として婚約解消の書類を持ってきている」
翌日に用意できるかどうかは置いておいても、確かにエイミーのことが大嫌いで別れたくて仕方がないのならば、ライオネルは喜んで書類を整えてきただろう。
(つまり……本当に?)
脳が理解するとともに、じわじわと顔に熱がたまっていく。
エイミーはライオネルの腕の中でふるふると震えた。そして――
「で、で、殿下……大好きっ!」
叫んで、ひしっとライオネルにしがみついたのだった。
「……でも、お前が追いかけて来なくなると、落ち着かなかった。お前に別れを切り出されたときは動揺したし、ショックだった。そして別れたくないと思った。鬱陶しいと思っていたはずなのに、どうやら俺は、自分の無自覚なところでお前が好きになっていたんだろう」
「……本当に?」
「嘘をついてどうする。第一、お前が嫌いだったら、別れを切り出された翌日には嬉々として婚約解消の書類を持ってきている」
翌日に用意できるかどうかは置いておいても、確かにエイミーのことが大嫌いで別れたくて仕方がないのならば、ライオネルは喜んで書類を整えてきただろう。
(つまり……本当に?)
脳が理解するとともに、じわじわと顔に熱がたまっていく。
エイミーはライオネルの腕の中でふるふると震えた。そして――
「で、で、殿下……大好きっ!」
叫んで、ひしっとライオネルにしがみついたのだった。