王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
(わたしが何もせず、でも相手にとって望んだ結果が得られなかったら、そのうち行動がエスカレートすると思ったし……)
焦れば絶対にぼろを出す。エイミーはそう踏んでいたのである。
ライオネルはエイミーのもう一つのたくらみに気づいたのかいないのか、やれやれと肩をすくめると、エイミーから調査資料を受け取って中を確認しながら言った。
「とにかく、この件はこのままにはしておけない。早急に手を打つ必要がある」
「手を打つにしても、犯人が複数人いた場合、一人を捕まえたら他の人に逃げられちゃいますよ?」
「……なるほどお前は、だから犯人を泳がせていたわけか」
「あ……」
しまった、余計なことを言い過ぎたと、エイミーは自分の口を押えたがもう遅い。
ライオネルはエイミーの両方のほっぺたをつまむと、むにーっと左右に引っ張った。
「ひひゃい!」
「このバカ! 何故相談しない! 一人で突っ走りすぎだ‼」
「ごめんにゃひゃい……」
ライオネルはエイミーの頬から手を放して、紙を丸めてポンポンと肩を叩きながら天井を仰いだ。
「まあいい、個人か複数かは知らんが、だったらこっちも罠を張っておけばいいだけの話だ」
エイミーはライオネルに引っ張られた頬を撫でながら、きょとんと首を横に振った。
「どうするつもりですか?」
ライオネルはニッと笑うと、内緒話をするように声を落とし、エイミーの耳元に何事かを囁いた。
焦れば絶対にぼろを出す。エイミーはそう踏んでいたのである。
ライオネルはエイミーのもう一つのたくらみに気づいたのかいないのか、やれやれと肩をすくめると、エイミーから調査資料を受け取って中を確認しながら言った。
「とにかく、この件はこのままにはしておけない。早急に手を打つ必要がある」
「手を打つにしても、犯人が複数人いた場合、一人を捕まえたら他の人に逃げられちゃいますよ?」
「……なるほどお前は、だから犯人を泳がせていたわけか」
「あ……」
しまった、余計なことを言い過ぎたと、エイミーは自分の口を押えたがもう遅い。
ライオネルはエイミーの両方のほっぺたをつまむと、むにーっと左右に引っ張った。
「ひひゃい!」
「このバカ! 何故相談しない! 一人で突っ走りすぎだ‼」
「ごめんにゃひゃい……」
ライオネルはエイミーの頬から手を放して、紙を丸めてポンポンと肩を叩きながら天井を仰いだ。
「まあいい、個人か複数かは知らんが、だったらこっちも罠を張っておけばいいだけの話だ」
エイミーはライオネルに引っ張られた頬を撫でながら、きょとんと首を横に振った。
「どうするつもりですか?」
ライオネルはニッと笑うと、内緒話をするように声を落とし、エイミーの耳元に何事かを囁いた。