王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
おろされてなるものかとエイミーはひしっとライオネルに抱き着いた。
どうあっても抱き着くのか……とげんなりした顔をして、ライオネルが話を続ける。
「それから、お前はシロだと言ったが、念のためシンシア・モリーンにも見張りをつける。いいな?」
「わかりました」
エイミーはシンシアが犯人ではないと確信しているが、この状況下ではエイミーの側にいる時間が長いシンシアが監視対象に上がるのは仕方がない。
(シンシアには全部終わったら謝らなきゃ。それから殿下と両想いになれたことも、終わったら報告しないとね!)
本当はライオネルに好きだと言われたその日に叫んでシンシアに報告したかったが、この件が片付くまで余計なことは言えないと我慢していたのだ。
「この件に関する作戦は今のところ以上だが……そう言えばエイミー、お前、あれから歌の練習はしているのか?」
「歌?」
「城で歌の特訓をしてやっただろうが! 音楽祭は十日後だぞ!」
「そのことですね! 大丈夫ですよ! ばっちりです!」
「……本当だろうな」
「はい! 当日はわたしの歌声で殿下をメロメロにして見せます!」
「音楽祭は合唱だ、お前の独唱じゃない!」
「愛があればわたしの声だけを聴きとることが可能ですよ!」
「そんなわけあるか! いいか、間違っても一人だけ大声で歌おうとするなよ? むしろ小さい声で他に紛れるように歌え! 練習時は大丈夫だったが、当日に万が一ってこともあるかもしれないからな! わかったな⁉」
「えー……」
どうあっても抱き着くのか……とげんなりした顔をして、ライオネルが話を続ける。
「それから、お前はシロだと言ったが、念のためシンシア・モリーンにも見張りをつける。いいな?」
「わかりました」
エイミーはシンシアが犯人ではないと確信しているが、この状況下ではエイミーの側にいる時間が長いシンシアが監視対象に上がるのは仕方がない。
(シンシアには全部終わったら謝らなきゃ。それから殿下と両想いになれたことも、終わったら報告しないとね!)
本当はライオネルに好きだと言われたその日に叫んでシンシアに報告したかったが、この件が片付くまで余計なことは言えないと我慢していたのだ。
「この件に関する作戦は今のところ以上だが……そう言えばエイミー、お前、あれから歌の練習はしているのか?」
「歌?」
「城で歌の特訓をしてやっただろうが! 音楽祭は十日後だぞ!」
「そのことですね! 大丈夫ですよ! ばっちりです!」
「……本当だろうな」
「はい! 当日はわたしの歌声で殿下をメロメロにして見せます!」
「音楽祭は合唱だ、お前の独唱じゃない!」
「愛があればわたしの声だけを聴きとることが可能ですよ!」
「そんなわけあるか! いいか、間違っても一人だけ大声で歌おうとするなよ? むしろ小さい声で他に紛れるように歌え! 練習時は大丈夫だったが、当日に万が一ってこともあるかもしれないからな! わかったな⁉」
「えー……」