王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
エイミーの頭上に奇妙な陶器人形が落ちてきた次の日、エイミーは追跡魔術で特定した二年三組の生徒の行動履歴と、それから所属している部活動の一覧を見て違和感を覚えたらしい。
以前からエイミーの頭上に振って来ていたものには、テニスボールや花瓶、植木鉢、石膏像、泥、雑巾などがあげられるが、エイミーが事前に調べたところ、テニスボールも植木鉢も石膏像も、すべて学園内から持ち出されたものだったそうだ。
エイミーが単独犯ではなく複数犯かもしれないと考えたのは、そこに理由があったらしい。
テニスボールはテニス部の部室から、植木鉢は園芸部の部室から、そして石膏像は美術部の部室からどれも盗み出されていたからだ。テニス部と園芸部と美術部すべてに在籍している生徒はこの学園にはいなかったから、当初、エイミーは犯人は複数人いると睨んだ。
けれども、ウォルターが用意した二年三組の名簿と行動履歴を見て、エイミーの中で別の仮説が生まれたらしい。
(あんな些細な情報からよく推理できたものだ)
ライオネルは今思い出しても感心する。
エイミーが二年三組の生徒がどの部活動に所属しているかを調べてほしいと言ったのは、パトリシア・スケールの行動履歴を見てのことだった。そのときは、パトリシアがどの部活動に所属しているのかはわからなかったが、彼女が音楽室へ向かった時間帯を見て、エイミーは彼女は音楽部の部員ではないかもしれないと考えたらしい。
音楽部の部員は、音楽室を部室にしている。
しかし大所帯の音楽部は音楽室で練習をするには手狭なので、いつも楽器を持ち出して講堂で練習をしているのだ。
ピアノは練習演目にピアノ協奏曲がない限り持ち出されないので、たいていは音楽室に置いたままである。
パトリシアが音楽室を訪れたのは、音楽部の部員が楽器を持ち出して講堂へ向かった三十分後のことだった。
そして彼女は、音楽室に入った十分後にまた出て行ったと行動履歴にあった。その後パトリシアが講堂へ足を向ければ、ただ部活動に遅刻しただけと考えられるが、彼女はそのまま帰宅した。
そしてその些細な違和感をもとにエイミーが所属の部活動を調べたところ、パトリシアは何の部活にも所属していなかったのである。
以前からエイミーの頭上に振って来ていたものには、テニスボールや花瓶、植木鉢、石膏像、泥、雑巾などがあげられるが、エイミーが事前に調べたところ、テニスボールも植木鉢も石膏像も、すべて学園内から持ち出されたものだったそうだ。
エイミーが単独犯ではなく複数犯かもしれないと考えたのは、そこに理由があったらしい。
テニスボールはテニス部の部室から、植木鉢は園芸部の部室から、そして石膏像は美術部の部室からどれも盗み出されていたからだ。テニス部と園芸部と美術部すべてに在籍している生徒はこの学園にはいなかったから、当初、エイミーは犯人は複数人いると睨んだ。
けれども、ウォルターが用意した二年三組の名簿と行動履歴を見て、エイミーの中で別の仮説が生まれたらしい。
(あんな些細な情報からよく推理できたものだ)
ライオネルは今思い出しても感心する。
エイミーが二年三組の生徒がどの部活動に所属しているかを調べてほしいと言ったのは、パトリシア・スケールの行動履歴を見てのことだった。そのときは、パトリシアがどの部活動に所属しているのかはわからなかったが、彼女が音楽室へ向かった時間帯を見て、エイミーは彼女は音楽部の部員ではないかもしれないと考えたらしい。
音楽部の部員は、音楽室を部室にしている。
しかし大所帯の音楽部は音楽室で練習をするには手狭なので、いつも楽器を持ち出して講堂で練習をしているのだ。
ピアノは練習演目にピアノ協奏曲がない限り持ち出されないので、たいていは音楽室に置いたままである。
パトリシアが音楽室を訪れたのは、音楽部の部員が楽器を持ち出して講堂へ向かった三十分後のことだった。
そして彼女は、音楽室に入った十分後にまた出て行ったと行動履歴にあった。その後パトリシアが講堂へ足を向ければ、ただ部活動に遅刻しただけと考えられるが、彼女はそのまま帰宅した。
そしてその些細な違和感をもとにエイミーが所属の部活動を調べたところ、パトリシアは何の部活にも所属していなかったのである。