王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
(誤算は、エイミーがその程度でひるむようなやつじゃなかったことと……、俺、だろうな)
うるさくてしつこくて鬱陶しくて意味不明なこのモモンガを愛おしいと思う日が来るとは、ライオネル自身想像だにしていなかったことだ。
今もやたらとまとわりついて隙あらばくんくんとライオネルの匂いを嗅いでいる奇想天外な生き物を、以前のように突き放そうとは思わない。
というか、この意味不明な行動を取っているエイミーを、可愛いとさえ思っている自分がいる。
エイミーは満足するまでライオネルの腕にまとわりついて甘えた後で、思い出したように顔を上げた。
「殿下殿下!」
「今度はなんだ」
「計画、うまくいったんでご褒美ください!」
「はあ?」
ライオネルはあきれた。
「うまくいったって、お前、途中から計画を忘れて脱線したじゃないか!」
「忘れてません。寄り道しただけです」
「寄り道する必要があったか?」
「もちろんです! だって重要なことですから! 殿下がわたしを嫌いなんて、失礼しちゃいます! 両想いなのに!」
パトリシアに言われたことを思い出したのか、エイミーはぷんぷんと怒りだした。
「わたしと殿下は両想いでラブラブで以心伝心で一心同体なんです! 百年先も、生まれ変わっても、世界が爆発しても一緒にいる運命なんですよ!」
「重い‼」
「重くないですわたしの体重は普通です」
「体重の話じゃない!」
「えへへー」
うるさくてしつこくて鬱陶しくて意味不明なこのモモンガを愛おしいと思う日が来るとは、ライオネル自身想像だにしていなかったことだ。
今もやたらとまとわりついて隙あらばくんくんとライオネルの匂いを嗅いでいる奇想天外な生き物を、以前のように突き放そうとは思わない。
というか、この意味不明な行動を取っているエイミーを、可愛いとさえ思っている自分がいる。
エイミーは満足するまでライオネルの腕にまとわりついて甘えた後で、思い出したように顔を上げた。
「殿下殿下!」
「今度はなんだ」
「計画、うまくいったんでご褒美ください!」
「はあ?」
ライオネルはあきれた。
「うまくいったって、お前、途中から計画を忘れて脱線したじゃないか!」
「忘れてません。寄り道しただけです」
「寄り道する必要があったか?」
「もちろんです! だって重要なことですから! 殿下がわたしを嫌いなんて、失礼しちゃいます! 両想いなのに!」
パトリシアに言われたことを思い出したのか、エイミーはぷんぷんと怒りだした。
「わたしと殿下は両想いでラブラブで以心伝心で一心同体なんです! 百年先も、生まれ変わっても、世界が爆発しても一緒にいる運命なんですよ!」
「重い‼」
「重くないですわたしの体重は普通です」
「体重の話じゃない!」
「えへへー」