王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
「授業に行くのに唇をケアする必要がある?」

「殿下がいつわたしの唇にキスしたくなるかわからないじゃない」

「あんたホントにポジティブね……」

 リップバームをしっかりしっかり塗り込んでぷるぷるの唇に仕上げると、エイミーは満足して立ち上がる。

「今日は殿下とペアになれるかしら?」

「あんたの魔力量に合わせられるのは、うちと隣のクラスじゃあ殿下くらいなものでしょう? でも、今日はペアを組んでする授業なの?」

「基本防御だって聞いたから間違いなくペアよ!」

「いったいどこで授業の内容を聞いてきたのよ」

「もちろん昨日職員室で聞いてきたのよ!」

「……あんたってすごいわ。いろんな意味で。まあいいわ、行きましょ」


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