王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
シンシアの言う通り、何者かがエイミーの頭上にものを落としているのは間違いないだろう。
しかし今のところ、エイミーの頭にぶつかる前にすべて結界ではじいて防御しているので、エイミーは傷一つ負っていない。
「ちょっとした悪戯でしょ? ……は! もしかして、わたしのことが好きな誰かが、わたしの気を引こうとしてやっているのかしら?」
「あんたが好きな人間があんたの頭の上に画鋲とか花瓶を落とすと思う⁉」
「思うわ! そうして、『ごめん、手が滑ったんだ』って駆けつけてくるのよ。出会いを演出するにはもってこいね! でもわたしのは殿下がいるし……残念だけど、当たったら痛いから、わざと怪我はしてあげられないわ」
「信じられない……」
「本当よね。わたしって実はモテるのかしら? 殿下、やきもち焼いてくれると思う?」
「思わないわ。それよりも頭の構造を心配されるんじゃないかしら……」
「心配してくれるの? 最高ね‼ わたし、殿下に心配されたことはまだ一度もないの! わたし、殿下に心配されたいわ!」
「…………つける薬なしってこのことね」
シンシアはやれやれと息を吐いて、うっとりと「殿下が心配……」と妄想にトリップしはじめたエイミーの手を掴んで歩き出した。
しかし今のところ、エイミーの頭にぶつかる前にすべて結界ではじいて防御しているので、エイミーは傷一つ負っていない。
「ちょっとした悪戯でしょ? ……は! もしかして、わたしのことが好きな誰かが、わたしの気を引こうとしてやっているのかしら?」
「あんたが好きな人間があんたの頭の上に画鋲とか花瓶を落とすと思う⁉」
「思うわ! そうして、『ごめん、手が滑ったんだ』って駆けつけてくるのよ。出会いを演出するにはもってこいね! でもわたしのは殿下がいるし……残念だけど、当たったら痛いから、わざと怪我はしてあげられないわ」
「信じられない……」
「本当よね。わたしって実はモテるのかしら? 殿下、やきもち焼いてくれると思う?」
「思わないわ。それよりも頭の構造を心配されるんじゃないかしら……」
「心配してくれるの? 最高ね‼ わたし、殿下に心配されたことはまだ一度もないの! わたし、殿下に心配されたいわ!」
「…………つける薬なしってこのことね」
シンシアはやれやれと息を吐いて、うっとりと「殿下が心配……」と妄想にトリップしはじめたエイミーの手を掴んで歩き出した。