王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
(モモンガ語?)
エイミーは首を傾げたが、ライオネルの冗談だろうと認識して聞き流すことにした。
「手がふさがっているので殿下に抱き着けなくて残念です。殿下も我慢してくださいね」
「意味がわからん抱き着かなくて結構だ」
「せめて匂いだけでも……」
「嗅がんでいい‼」
近づこうとしたら手のひらでぐいっと顔を押されて、エイミーはしゅんとした。
「どうでもいいが、急がないと授業に遅れるぞ。じゃあな」
「ご心配ありがとうございます! 殿下、大好き」
すると、歩き去ろうとしていたライオネルが何かを思い出したように足を止めて振り返った。
そして――
「俺はお前なんか大嫌いだ」
「え……?」
真顔ではっきりとそう告げられて、エイミーの思考回路が一瞬停止した。
ライオネルはまたすぐに身をひるがえして歩き去ったが、エイミーは目を見開いたまましばらく動けなかった。
何故ならさっきの「大嫌い」は――なんだかいつもと、違う気がしたから。
エイミーは首を傾げたが、ライオネルの冗談だろうと認識して聞き流すことにした。
「手がふさがっているので殿下に抱き着けなくて残念です。殿下も我慢してくださいね」
「意味がわからん抱き着かなくて結構だ」
「せめて匂いだけでも……」
「嗅がんでいい‼」
近づこうとしたら手のひらでぐいっと顔を押されて、エイミーはしゅんとした。
「どうでもいいが、急がないと授業に遅れるぞ。じゃあな」
「ご心配ありがとうございます! 殿下、大好き」
すると、歩き去ろうとしていたライオネルが何かを思い出したように足を止めて振り返った。
そして――
「俺はお前なんか大嫌いだ」
「え……?」
真顔ではっきりとそう告げられて、エイミーの思考回路が一瞬停止した。
ライオネルはまたすぐに身をひるがえして歩き去ったが、エイミーは目を見開いたまましばらく動けなかった。
何故ならさっきの「大嫌い」は――なんだかいつもと、違う気がしたから。