王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
エイミーは誰が婚約者候補に上がっていたのかまったく興味がなかったため、わざわざそんなこと訊ねたことはない。
「候補だった人たちがどうかしたの?」
「いえね……ちなみさ、もし、もしもよ? もしもなんだけど、あんたと殿下の婚約が解消されたら、殿下の次の婚約者は昔の婚約者候補の中から選ばれるのかしら?」
「婚約は解消しないわ」
「だからもしもの話だってば」
もしもだと言われても想像するのも嫌なエイミーはむっと口を曲げたが、シンシアがやたらと気にしているので「そうねえ」と考え込んだ。
「そうかもしれないわね。だって王族の、しかも王太子の婚約者ですもの。いろいろ審査基準があるのよ」
「……そう」
エイミーの答えに、シンシアは難しい顔で黙り込んだ。
エイミーは首をひねったが、そのときカーンと予令の鐘が鳴って、慌ててカバンから教科書を取り出す。一限目の数学教師は、はじまる時間よりいつも早くるのだ。
シンシアは予令が鳴った後も難しい顔をして考え続けていたが、授業の準備をはじめたエイミーは気がつかなかった。
「候補だった人たちがどうかしたの?」
「いえね……ちなみさ、もし、もしもよ? もしもなんだけど、あんたと殿下の婚約が解消されたら、殿下の次の婚約者は昔の婚約者候補の中から選ばれるのかしら?」
「婚約は解消しないわ」
「だからもしもの話だってば」
もしもだと言われても想像するのも嫌なエイミーはむっと口を曲げたが、シンシアがやたらと気にしているので「そうねえ」と考え込んだ。
「そうかもしれないわね。だって王族の、しかも王太子の婚約者ですもの。いろいろ審査基準があるのよ」
「……そう」
エイミーの答えに、シンシアは難しい顔で黙り込んだ。
エイミーは首をひねったが、そのときカーンと予令の鐘が鳴って、慌ててカバンから教科書を取り出す。一限目の数学教師は、はじまる時間よりいつも早くるのだ。
シンシアは予令が鳴った後も難しい顔をして考え続けていたが、授業の準備をはじめたエイミーは気がつかなかった。