王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
「わかった」

 ライオネルは頭痛薬の薬包を受け取り、医務室を後にする。

 ウォルターにわけのわからないことを言われたせいで、頭痛がさらに増した気がした。

(何か適当に食べて薬を飲むか。……二限目はさぼろう)

 どちらにせよ頭が痛すぎて教師の話が頭に入りそうにない。

 ライオネルは食堂へ足を向けた。

 食堂はランチの時間以外でも、お菓子やお茶なら出してくれる。

 ライオネルは、腹にたまりそうなスコーンとそれから紅茶、薬を飲むための水を頼むと、それを持って窓際の席へ座った。
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