コーヒーにはお砂糖をひとつ、紅茶にはミルク —別れた夫とお仕事です—
「ただいま。」
数日経って蒼士が出張から帰ってきた。
「おかえり」
水惟は精一杯の笑顔で迎えると、蒼士の食事の用意をした。
「あれ?水惟の分は?」
「…ごめん、お腹空いてたから先に食べちゃった」
申し訳なさそうに笑って嘘をついた。
「輝星堂のプレゼンどうだった?」
食事をしながら蒼士が聞いた。
「………」
「なんかあった?」
「えっと…うーん…失敗しちゃって。あんまり上手くプレゼンできなかった」
また苦笑いで嘘をついた。
「そっか…せっかく頑張ってたから、企画の内容で判断してもらえるといいね。」
蒼士の優しい言葉が、企画の提出すらできていない水惟には辛くて堪らない。
それでも水惟は、乾に企画をとられてしまったことを蒼士には言えなかった。
「今回は乾の企画が選ばれました。おめでとう。」
数日後、氷見からコンペの結果発表され、みんなが拍手をした。
「おもしろくなりそうな企画だったもんな〜」
「よく練られてたしねー!」
それは本来、水惟が浴びるはずの祝福だった。
「ありがとうございます〜!輝星堂の大きいプロジェクトって憧れだったので嬉しいです!」
乾は全く悪びれることなく水惟の功績を自分のものにした。
「私これから輝星堂さんと打ち合わせとか増えるから、その分のフォローよろしくね。」
乾が水惟に言った。
「…はい」
数日経って蒼士が出張から帰ってきた。
「おかえり」
水惟は精一杯の笑顔で迎えると、蒼士の食事の用意をした。
「あれ?水惟の分は?」
「…ごめん、お腹空いてたから先に食べちゃった」
申し訳なさそうに笑って嘘をついた。
「輝星堂のプレゼンどうだった?」
食事をしながら蒼士が聞いた。
「………」
「なんかあった?」
「えっと…うーん…失敗しちゃって。あんまり上手くプレゼンできなかった」
また苦笑いで嘘をついた。
「そっか…せっかく頑張ってたから、企画の内容で判断してもらえるといいね。」
蒼士の優しい言葉が、企画の提出すらできていない水惟には辛くて堪らない。
それでも水惟は、乾に企画をとられてしまったことを蒼士には言えなかった。
「今回は乾の企画が選ばれました。おめでとう。」
数日後、氷見からコンペの結果発表され、みんなが拍手をした。
「おもしろくなりそうな企画だったもんな〜」
「よく練られてたしねー!」
それは本来、水惟が浴びるはずの祝福だった。
「ありがとうございます〜!輝星堂の大きいプロジェクトって憧れだったので嬉しいです!」
乾は全く悪びれることなく水惟の功績を自分のものにした。
「私これから輝星堂さんと打ち合わせとか増えるから、その分のフォローよろしくね。」
乾が水惟に言った。
「…はい」