コーヒーにはお砂糖をひとつ、紅茶にはミルク —別れた夫とお仕事です—
***
別の日
「新人なのにすごいね。色は遠目に見てもすごくきれいで目を引くと思ったよ。俺、これ好き。」
デザインで関わる案件の打ち合わせで、笑顔の蒼士言われ、水惟の表情がパッと明るくなる。
「ありがとうございます。深山さんにそう言っていただけると嬉しいです。」
水惟の言葉に、蒼士は一瞬不思議そうな顔をする。
「…なんで俺?デザイナーでもないのに。」
(だって私は…あなたにデザインを見てもらうために入社したから。)
心の中でこっそりつぶやく。
水惟は、入社前に出会った蒼士に憧れて深端に入社した。
(だけど、こんな新人が…ましてや私なんかが相手にされるわけない…)
「あ、えーっと…え、営業さんの意見て参考になるので…」
「あの…」
「ん?」
「いつか…私がADになれて、自信作ができたら…見てもらえませんか?」
そう言って、また不思議そうな顔をした蒼士にやたらと先の長い約束を取り付けると、水惟はミーティングルームを後にした。
(「俺、これ好き」だって。ふふっ。)
蒼士に褒められ、また一歩成長できたような気がして水惟は思わずニヤついてしまう。
別の日
「新人なのにすごいね。色は遠目に見てもすごくきれいで目を引くと思ったよ。俺、これ好き。」
デザインで関わる案件の打ち合わせで、笑顔の蒼士言われ、水惟の表情がパッと明るくなる。
「ありがとうございます。深山さんにそう言っていただけると嬉しいです。」
水惟の言葉に、蒼士は一瞬不思議そうな顔をする。
「…なんで俺?デザイナーでもないのに。」
(だって私は…あなたにデザインを見てもらうために入社したから。)
心の中でこっそりつぶやく。
水惟は、入社前に出会った蒼士に憧れて深端に入社した。
(だけど、こんな新人が…ましてや私なんかが相手にされるわけない…)
「あ、えーっと…え、営業さんの意見て参考になるので…」
「あの…」
「ん?」
「いつか…私がADになれて、自信作ができたら…見てもらえませんか?」
そう言って、また不思議そうな顔をした蒼士にやたらと先の長い約束を取り付けると、水惟はミーティングルームを後にした。
(「俺、これ好き」だって。ふふっ。)
蒼士に褒められ、また一歩成長できたような気がして水惟は思わずニヤついてしまう。