コーヒーにはお砂糖をひとつ、紅茶にはミルク —別れた夫とお仕事です—
(…で、この状況…私何やってんの…)
水惟はパーティーの休憩室でソファに座っていた。
まだパーティーが始まってあまり経っていないからか室内には水惟以外に誰もいない。
階段で足を踏み外した水惟は、その場に座り込むように倒れたが、幸い怪我はしなかった。
すぐに蒼士が駆けつけて様子を確認すると、パンプスのヒールが壊れてしまっていた。
蒼士は水惟を軽々と抱き抱えるとそのままこの控え室に連れてきた。
(…元夫に…お姫様抱っこされるって…車に乗るよりよっぽどマズかったんじゃ…)
思い出しながら気まずそうに眉を寄せる水惟の顔は真っ赤だ。
(思いっきり…あの人の匂いに包まれてしまった…)
「ごめん、お待たせ」
控え室に戻ってきた蒼士は箱を抱えていた。
「足出して。」
蒼士が水惟の前に跪くような姿勢で座った。
箱の蓋が開けられると、シャンパンゴールドのパンプスが入っていた。
たった今ホテルのショップで買ってきたものだ。
「え!?いいよ、自分で履ける…」
「怪我してないか、確認するから。」
「………」
真剣な表情の蒼士に押し切られ、水惟は足を差し出した。
「痛いとこない?」
「う、うん…捻ったりもしてないと思う…」
そう言って蒼士の差し出した新しいパンプスに足を入れると、サイズはぴったりだった。
「…よくぴったりなサイズ、わかったね…」
「壊れたやつ持って行ったから。」
「え、あ!そっか…そうだよね…」
「覚えてたサイズの通りだったけど。」
水惟が恥ずかしそうに言うと、蒼士がつぶやいた。
(え…)
水惟はパーティーの休憩室でソファに座っていた。
まだパーティーが始まってあまり経っていないからか室内には水惟以外に誰もいない。
階段で足を踏み外した水惟は、その場に座り込むように倒れたが、幸い怪我はしなかった。
すぐに蒼士が駆けつけて様子を確認すると、パンプスのヒールが壊れてしまっていた。
蒼士は水惟を軽々と抱き抱えるとそのままこの控え室に連れてきた。
(…元夫に…お姫様抱っこされるって…車に乗るよりよっぽどマズかったんじゃ…)
思い出しながら気まずそうに眉を寄せる水惟の顔は真っ赤だ。
(思いっきり…あの人の匂いに包まれてしまった…)
「ごめん、お待たせ」
控え室に戻ってきた蒼士は箱を抱えていた。
「足出して。」
蒼士が水惟の前に跪くような姿勢で座った。
箱の蓋が開けられると、シャンパンゴールドのパンプスが入っていた。
たった今ホテルのショップで買ってきたものだ。
「え!?いいよ、自分で履ける…」
「怪我してないか、確認するから。」
「………」
真剣な表情の蒼士に押し切られ、水惟は足を差し出した。
「痛いとこない?」
「う、うん…捻ったりもしてないと思う…」
そう言って蒼士の差し出した新しいパンプスに足を入れると、サイズはぴったりだった。
「…よくぴったりなサイズ、わかったね…」
「壊れたやつ持って行ったから。」
「え、あ!そっか…そうだよね…」
「覚えてたサイズの通りだったけど。」
水惟が恥ずかしそうに言うと、蒼士がつぶやいた。
(え…)