コーヒーにはお砂糖をひとつ、紅茶にはミルク —別れた夫とお仕事です—
「俺と付き合ってみれば?」
「え…」
「忘れるには新しい恋愛だって、前から言ってんじゃん。」
「………」
水惟の頭に蒼士の顔が浮かぶ。
そして、先ほど抱き上げられた時に全身で感じた蒼士の匂いと温もりを思い出す。
——— 水惟
(…声まで思い出しちゃうんだ…)
水惟は啓介の胸の中で、首を横に振った。
「…だめみたい…」
「ん?」
「…よくわかんないけど…あの人がいいって…あの人じゃなきゃダメだって…私の全身が言ってるの…」
「…不毛だなぁ…」
啓介は苦笑いで水惟の頭を撫でた。
「しょうがないな。受賞のお祝いで特別にアッシー様の胸を貸してやろう。」
「…ありがと…」
水惟は泣いたままクスッと笑った。
(なんでこんなに、好きって思うんだろう…)
——— 大好きだよ、水惟
(もう、あの手が私に触れることは無いんだ…)
水惟はたまらなく悲しい気持ちに心が押し潰されてしまいそうだった。
「え…」
「忘れるには新しい恋愛だって、前から言ってんじゃん。」
「………」
水惟の頭に蒼士の顔が浮かぶ。
そして、先ほど抱き上げられた時に全身で感じた蒼士の匂いと温もりを思い出す。
——— 水惟
(…声まで思い出しちゃうんだ…)
水惟は啓介の胸の中で、首を横に振った。
「…だめみたい…」
「ん?」
「…よくわかんないけど…あの人がいいって…あの人じゃなきゃダメだって…私の全身が言ってるの…」
「…不毛だなぁ…」
啓介は苦笑いで水惟の頭を撫でた。
「しょうがないな。受賞のお祝いで特別にアッシー様の胸を貸してやろう。」
「…ありがと…」
水惟は泣いたままクスッと笑った。
(なんでこんなに、好きって思うんだろう…)
——— 大好きだよ、水惟
(もう、あの手が私に触れることは無いんだ…)
水惟はたまらなく悲しい気持ちに心が押し潰されてしまいそうだった。