腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
*
休み時間。一人で廊下を歩く葉澄を見つけたのでとりあえず取っ捕まえてみた。
「ちょっと顔を貸しなさい」と言えば、葉澄は素直に付いてきたけど、まあかなり戸惑っている。頭の上に大量の「?」が見える気がする。
かく言う私も、とりあえず捕まえてはみたものの、特に何を話すか決めていなかった。どうしよう。
しばらく迷った末、私は作り笑いを浮かべながらこう聞いてみた。
「ねえ葉澄。バレンタイン、私が奏多くんにチョコレートを渡したって、別に問題ないわよね?」
何でもいいから、奏多くんにチョコを受け取ってもらうためのヒントが欲しい。とりあえず何か聞かなきゃ……と思ったのだけど、完全に質問を間違えた。
他の女が自分の彼氏にバレンタインチョコを渡すことに、問題ないわけがない。
だけど、葉澄は首をかしげながらこう言った。
「ええっと、私に止める権利はないと思うけど……」
……どうやら、これが恋人としての余裕というやつらしい。
ちょっとムッとしたので、思わず大きな声をあげた。
休み時間。一人で廊下を歩く葉澄を見つけたのでとりあえず取っ捕まえてみた。
「ちょっと顔を貸しなさい」と言えば、葉澄は素直に付いてきたけど、まあかなり戸惑っている。頭の上に大量の「?」が見える気がする。
かく言う私も、とりあえず捕まえてはみたものの、特に何を話すか決めていなかった。どうしよう。
しばらく迷った末、私は作り笑いを浮かべながらこう聞いてみた。
「ねえ葉澄。バレンタイン、私が奏多くんにチョコレートを渡したって、別に問題ないわよね?」
何でもいいから、奏多くんにチョコを受け取ってもらうためのヒントが欲しい。とりあえず何か聞かなきゃ……と思ったのだけど、完全に質問を間違えた。
他の女が自分の彼氏にバレンタインチョコを渡すことに、問題ないわけがない。
だけど、葉澄は首をかしげながらこう言った。
「ええっと、私に止める権利はないと思うけど……」
……どうやら、これが恋人としての余裕というやつらしい。
ちょっとムッとしたので、思わず大きな声をあげた。