腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
「いえ、何でも。そのガトーショコラ、チョコレートをホワイトチョコに変え、抹茶を加えればさらにお嬢様好みになるかと」
「何それ絶対美味しいやつじゃない!」
想像しただけで幸せな味だ。次は絶対にそれを作ろう。
「明日からもちょっとずつ練習してみるわ。あ、もう手伝わなくていいからね」
「……承知いたしました」
鷹司は若干不服そうながらも、いつものように胡散臭い笑みを浮かべて答える。
でも、いつもよりもほんの少しだけ、その笑顔がぎこちない気がした。気のせいかもしれないけれど。