腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
そう教えてあげてもまだ渋る彼女に、またしても鷹司が余計なことを吹き込んだ。
「お嬢様はそういったパーティーに友人を連れて行った試しがなく、誰かと一緒に参加することに憧れているのですよ」
「葉澄が行ってみたければ連れていってあげるっていう話! 別に私は来なくたって構わないの!」
私は鷹司を睨みつけながら訂正する。
「うーん、もちろんすごく興味はあるけど……」
葉澄は思案顔でドレスに触れ、じっと私を見た。
「きっしーさんの服だと、サイズ……たぶん大きい」
「大きい? 葉澄の方が身長高いんだから、むしろ小さいんじゃない?」
私の身長は154センチだけど、葉澄はたぶん160を超えている。女子の中では高い方だろう。
葉澄はむっと唇を結んで首を振った。
「身長はそうだけど……主に胸のあたりが、さ……。私がこのドレス着たらだいぶスカスカになる気が……」
「ああ、貴女まな板みたいだものね」
「うう、はっきり言う……。ダイエットしたとき一緒に痩せちゃったんだもん……」