腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め



いつだったか鷹司は、私と奏多くんには似た部分があり、似ているからこそ例え恋仲になっても上手くいかない……というようなことを言っていた。


誰からも愛される奏多くんが私に似ているわけがないと思っていたけれど、今ちょっとだけその意味がわかった気がした。

奏多くんも、もし葉澄が突然自分の元から消えたりしたら、私とよく似た行動を取りそうだ。




「お土産……ニューヨーク……アメリカ……あ、マカダミアナッツがいいな!」




そして葉澄は、静かに何やらぶつぶつ言っていると思ったら、真剣にお土産を考えていたらしい。




「……誰もハワイに行くとは言ってないわよ」


「あれ、違ったっけ? うーん、じゃあ……自由の女神の置物とか!」


「よく考えてみなさい。それ本当に欲しい?」


「……きっしーさんが無事に帰ってきてくれたら、それで十分なお土産だよ」




良い感じに言ったけれど、どうやら特に思いつかなかったようだ。



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