腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
◈あの日以来、わたくしの行動原理はいつだって

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人生で初めて乗ったビジネスクラスに耐え抜いて到着した遠い外国。

累には、日本の味をたっぷりお土産に持って来ることを条件に空港まで迎えにきてもらった。

そして私と違って優秀な弟は、泊まるホテルの確保までばっちり準備してくれている。何ともスマートで憎たらしいやつだ。




「で、鷹司さんの目撃情報が上がってるのがこのボワロー社って会社のビルなんだけど……あ、地図はこれ。今日はもう暗くなるし行くとしても明日にしろよ」


「ええ」




タクシーでホテルまで移動しながら、累は色々な情報を教えてくれる。




「ここのCEOと一緒にいただしいって話を聞いたから、十中八九その人が今の主だろうね」


「CEO?」


「最高経営責任者」


「ち、ちなみにそれは女性なのかしら」


「おじいさんだったと思うけど」


「そう。……あ、別に気にしてるわけじゃないからね!」


「ごめん、わざわざこっちに来るぐらい執着してるから何となく察してたけど……姉の恋愛事情聞かされるのは弟としてだいぶ複雑だから」



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