腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
どこか不思議そうに言われて、思わずうつむく。
だって私は物語の悪役みたいな女だ。
今日だって、気に食わない香田葉澄にあんなことをして──。
「何はともあれこれから一年間、誠心誠意、多少の下心も交えてお仕えさせていただきますので、どうぞそのつもりで」
「やっぱり何か嫌!」
そんな心からの叫びは華麗に聞き流された様子。
こうして、ちょっとヤバそうな専属執事との生活が幕を開けたのだった。