腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
*
「……まい様。そう熟読せずとも、手順としてはそこまで難しいものではございませんよ?」
「うるさいわね黙ってなさい」
ピアッサーに附属していた説明書を睨むこと約十分。
確かに、使い方が書かれたイラストは実にシンプルだ。
だけど、この小型の器具に入った針が耳を貫通するなんて、想像しただけで恐ろしい。
「参考までに聞くけれど、これって失敗したらどうなるの?」
「そうですね、よくあるのは化膿したり、位置が悪ければ穴の部分から裂け……」
「やっぱりいいわ聞きたくない」
「そこまで心配なさらずとも、わたくしは貴女に消えない跡を刻み込んで頂けるだけで興奮……いえ、幸福ですよ」
「軌道修正間に合ってないわよ。一文字違うだけでずいぶん印象違うじゃない」
はあっと大きくため息をつく。
……おかげで変な緊張がとけたけど。
「よし、腹は括れたわ。そこに座りなさい」
「……まい様。そう熟読せずとも、手順としてはそこまで難しいものではございませんよ?」
「うるさいわね黙ってなさい」
ピアッサーに附属していた説明書を睨むこと約十分。
確かに、使い方が書かれたイラストは実にシンプルだ。
だけど、この小型の器具に入った針が耳を貫通するなんて、想像しただけで恐ろしい。
「参考までに聞くけれど、これって失敗したらどうなるの?」
「そうですね、よくあるのは化膿したり、位置が悪ければ穴の部分から裂け……」
「やっぱりいいわ聞きたくない」
「そこまで心配なさらずとも、わたくしは貴女に消えない跡を刻み込んで頂けるだけで興奮……いえ、幸福ですよ」
「軌道修正間に合ってないわよ。一文字違うだけでずいぶん印象違うじゃない」
はあっと大きくため息をつく。
……おかげで変な緊張がとけたけど。
「よし、腹は括れたわ。そこに座りなさい」