腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
謎の色気がある声に身の危険を感じて、気が付けば私はものすごい勢いで上体を起こしていた。
しまった。まだ気持ちよくまどろんでいたのに、すっかり覚醒してしまった。
「おはようございます、まいお嬢様」
「おはようございますじゃないわよこの変態執事」
覚醒の原因となった男は、私のベッドに腰かけながら優雅な笑みを浮かべていた。
数日前、私の専属執事になった鷹司。
24歳という若さながら、執事としてすこぶる優秀。顔はすれ違えば必ず全員が振り返ってもおかしくないほど整っている。
そういえばうちで働く厳しいベテランメイド、鷹司が来てからずっと幸せそうにニコニコしてる気がする。
「ていうかまだ7時半じゃない。もっと寝てたかったのに」
「無防備な寝顔も襲いたくなるほど愛らしかったのですが、本日はお勉強の予定が詰まりに詰まっておりますので、泣く泣く起こさせていただきました」
「うえ」