腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
◈お嬢様。貴女には絶対にわたくしが必要ですよ?
*
・゚
*.
「久しぶり累。そっちから連絡してくるなんて珍しいじゃない。元気そうね」
『姉さんも。どう、最近は父さんにいじめられてない?』
自室にある大きなモニターに映る弟の顔。
ニューヨークに留学中の弟・累とは、ときどきこうしてテレビ通話をしている。時間帯は、こちらは昼前向こうは夜という頃を選ぶことが多い。
落ちこぼれの私と違って、勉強もスポーツも何でもこなし、さらにリーダーシップまである累。
正式に岸井家を継ぐために修行中で、留学もその一環なのだそう。
「それで、何かあったの?」
『何かあったってわけじゃないんだけど……。姉さんのところに、新しい執事が来たって小耳に挟んでさ。ちょっと気になって』
「新しい執事……って、もしかして鷹司のこと言ってるのかしら?」
可愛い弟が連絡を寄こしてきたと思えば、まさか変態執事目当てだとは。
私は頬杖をついて投げやりに答える。
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「久しぶり累。そっちから連絡してくるなんて珍しいじゃない。元気そうね」
『姉さんも。どう、最近は父さんにいじめられてない?』
自室にある大きなモニターに映る弟の顔。
ニューヨークに留学中の弟・累とは、ときどきこうしてテレビ通話をしている。時間帯は、こちらは昼前向こうは夜という頃を選ぶことが多い。
落ちこぼれの私と違って、勉強もスポーツも何でもこなし、さらにリーダーシップまである累。
正式に岸井家を継ぐために修行中で、留学もその一環なのだそう。
「それで、何かあったの?」
『何かあったってわけじゃないんだけど……。姉さんのところに、新しい執事が来たって小耳に挟んでさ。ちょっと気になって』
「新しい執事……って、もしかして鷹司のこと言ってるのかしら?」
可愛い弟が連絡を寄こしてきたと思えば、まさか変態執事目当てだとは。
私は頬杖をついて投げやりに答える。