腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
しばらくして私の目の前に運ばれてきたものは、白いプリンだかゼリーだかのような見た目をしたものに、ベリー系のソースをかけた食べ物だった。
確かにお腹がすいてなくても食べやすそうなスイーツだ。
「ブランマンジェは、牛乳や生クリームなどをゼラチンで固めたフランスのスイーツでございます。イタリアのパンナコッタに似ておりますが、アーモンドの香りがするのが特徴です」
鷹司が丁寧に解説してくれた。知ってるふりをしていたのはバレていたらしい。
「そうね、この店のブラメンジェはアーモンドの香りが特に強いみたい。悪くないわ」
それでも一応、元々知っていたふりを貫いた。
「ブランマンジェでございます」
「ん?」
「ブラメンジェではなく」
「……ちゃんとそう言ったわ」
……堂々としていれば多分誤魔化せる。
「ねえ。そういえば例の計画って、結局いつまで続くの?」
でも話題は変えた。どんどんボロが出そうだから。