翡翠の紋章
第18話
鍾乳洞の中、スカーレットは必死になって
翡翠の原石を探していた。
ツルハシを使っては、
何度も何度も岩を叩く。
叩いても、灰色の石がバラバラに
なっただけで
どこにも翡翠らしきものは
見つからなかった。
体力を消耗しているようだ。
左手首で汗を拭う。
すると、少し離れたところで
フィンレーは喜びの声を上げた。
「よっしゃー、見つけたぞ。
これがあれば、俺は願いが叶えられる!」
翡翠の原石っぽいものを見つけたらしく、
スカーレットは気になって
フィンレーのそばに近寄った。
目の前に紙で破いたような
異空間があらわれ、1本の腕が出てきた。
「スカーレット!騙されるな。
それは幻想だ!!」
その腕でスカーレットの左腕を捕まえた。
「な、なに?! なんなの?」
軽装のフィンレーは異空間をのぞいては、
イラ立ちを見せる。
「俺の邪魔をするのは誰だ!?」
声が野太くなっている。
「スカーレット、早く、こっちへ来い!」
「え、なに、どう言うこと?」
紙で破いたような向こうの世界には、
鎧をまとったフィンレーがいた。
明らかにフィンレーが2人いることが
分かる。
「どっちが本物なの?」
とまどいを見せるスカーレット。
フィンレーの隣にソフィアがいる。
「スカーレット、こっちに来て。
そっちにいてはダメ。
危ないから!」
その言葉に反応してか、
軽装のフィンレーは、本来の姿を現した。
緑の長い手足に、鋭い牙、
うねうねした脳みそをそのまま
見せたエイリアンだった。
特殊メイクマスクのように
フィンレーの顔はべろんと剥がれた。
長く細い爪で、
スカーレットの背中は斜めに
引き裂かれた。
「きゃーーー!」
スカーレットは、
トレジャーハンターの軽装で、
武器は短剣とツルハシ。
とてもたちうちできるわけがない。
背中を負傷した。
「スカーレット!今、そっちに行くから。」
フィンレーがスカーレットがいる
鍾乳洞の空間に移動しようとしたが、
バリアのようなものが
あるらしく、行こうにも行けなかった。
体がはじかれた。
「ど、どういうことだ!?」
「結界が張られているようだ。」
オピンニクスが横から顔をのぞかせて
話す。
「待って、私の精霊呼んでみるわ。
ドリュアデス!」
ソフィアは、エメラルドのブローチを
かざした。
そっと、ドリュアデスは、
フィンレーの隣に
現れた。
慌てて、
こっちに来てとソフィアは、
彼女の服を引っ張った。
「ちょっとパーソナルスペース近すぎ。
こっち来なさいよ。」
「…我は汝、汝は我。」
「意味わからないこと言わないで。
ほら、目の前のこと。
結界を解く魔法使って。」
『ホーリーウェーブ』
聖なる光が海の波のように現れては
パリンとガラスが割れる音がした。
結界が解いたようだ。
「行ってくる!」
フィンレーはすぐにジャンプをして、
モンスターと戦っているスカーレットに
参戦した。
多少負傷してしまったが、
フィンレーの持つ召喚獣オピンニクスの
風の切り裂きで会心の一撃をくらわした。
「ぐわぁぁー---。」
砂のようにサラサラと風に流されて
一瞬にして消えていく。
持っていた剣を鞘におさめた。
スカーレットがいた空間も
エイリアンを倒した瞬間に
消えて、元の金の池の場所に戻ってきた。
スカーレットの服が鎧に切り替わった。
「無事でよかった。
どうなるかと思った。
背中、大丈夫?」
ソフィアはスカーレットに近づいては
回復魔法を唱えた。
手をかざしていた体は、みるみるうちに
癒されていく。
「ありがとう。
爪で割かれたから痛かった。」
「この中に入ったときは、
どうなったかと思ったよ。
それぞれ別な空間に
飛ばされていたんだな。」
「ちょっと待って。
安心してる場合じゃないかも。」
ソフィアは、黒く光る獣のようなものが
こちらに近づいてくるのが見えた。
じりじりと3人の前に迫ってくる。
「ケロベルスよ!?」
大きい頭を3つ。長く太い尻尾。
狐のような風貌。
額にはルビーの宝石がついていた。
それぞれ、武器を構えて呼吸を整えた。
「行くぞ!!」
フィンレーのかけ声とともに
3人は、前へと立ち向かって行く。
物陰に隠れて、小人たちは見守っていた。
翡翠の原石を探していた。
ツルハシを使っては、
何度も何度も岩を叩く。
叩いても、灰色の石がバラバラに
なっただけで
どこにも翡翠らしきものは
見つからなかった。
体力を消耗しているようだ。
左手首で汗を拭う。
すると、少し離れたところで
フィンレーは喜びの声を上げた。
「よっしゃー、見つけたぞ。
これがあれば、俺は願いが叶えられる!」
翡翠の原石っぽいものを見つけたらしく、
スカーレットは気になって
フィンレーのそばに近寄った。
目の前に紙で破いたような
異空間があらわれ、1本の腕が出てきた。
「スカーレット!騙されるな。
それは幻想だ!!」
その腕でスカーレットの左腕を捕まえた。
「な、なに?! なんなの?」
軽装のフィンレーは異空間をのぞいては、
イラ立ちを見せる。
「俺の邪魔をするのは誰だ!?」
声が野太くなっている。
「スカーレット、早く、こっちへ来い!」
「え、なに、どう言うこと?」
紙で破いたような向こうの世界には、
鎧をまとったフィンレーがいた。
明らかにフィンレーが2人いることが
分かる。
「どっちが本物なの?」
とまどいを見せるスカーレット。
フィンレーの隣にソフィアがいる。
「スカーレット、こっちに来て。
そっちにいてはダメ。
危ないから!」
その言葉に反応してか、
軽装のフィンレーは、本来の姿を現した。
緑の長い手足に、鋭い牙、
うねうねした脳みそをそのまま
見せたエイリアンだった。
特殊メイクマスクのように
フィンレーの顔はべろんと剥がれた。
長く細い爪で、
スカーレットの背中は斜めに
引き裂かれた。
「きゃーーー!」
スカーレットは、
トレジャーハンターの軽装で、
武器は短剣とツルハシ。
とてもたちうちできるわけがない。
背中を負傷した。
「スカーレット!今、そっちに行くから。」
フィンレーがスカーレットがいる
鍾乳洞の空間に移動しようとしたが、
バリアのようなものが
あるらしく、行こうにも行けなかった。
体がはじかれた。
「ど、どういうことだ!?」
「結界が張られているようだ。」
オピンニクスが横から顔をのぞかせて
話す。
「待って、私の精霊呼んでみるわ。
ドリュアデス!」
ソフィアは、エメラルドのブローチを
かざした。
そっと、ドリュアデスは、
フィンレーの隣に
現れた。
慌てて、
こっちに来てとソフィアは、
彼女の服を引っ張った。
「ちょっとパーソナルスペース近すぎ。
こっち来なさいよ。」
「…我は汝、汝は我。」
「意味わからないこと言わないで。
ほら、目の前のこと。
結界を解く魔法使って。」
『ホーリーウェーブ』
聖なる光が海の波のように現れては
パリンとガラスが割れる音がした。
結界が解いたようだ。
「行ってくる!」
フィンレーはすぐにジャンプをして、
モンスターと戦っているスカーレットに
参戦した。
多少負傷してしまったが、
フィンレーの持つ召喚獣オピンニクスの
風の切り裂きで会心の一撃をくらわした。
「ぐわぁぁー---。」
砂のようにサラサラと風に流されて
一瞬にして消えていく。
持っていた剣を鞘におさめた。
スカーレットがいた空間も
エイリアンを倒した瞬間に
消えて、元の金の池の場所に戻ってきた。
スカーレットの服が鎧に切り替わった。
「無事でよかった。
どうなるかと思った。
背中、大丈夫?」
ソフィアはスカーレットに近づいては
回復魔法を唱えた。
手をかざしていた体は、みるみるうちに
癒されていく。
「ありがとう。
爪で割かれたから痛かった。」
「この中に入ったときは、
どうなったかと思ったよ。
それぞれ別な空間に
飛ばされていたんだな。」
「ちょっと待って。
安心してる場合じゃないかも。」
ソフィアは、黒く光る獣のようなものが
こちらに近づいてくるのが見えた。
じりじりと3人の前に迫ってくる。
「ケロベルスよ!?」
大きい頭を3つ。長く太い尻尾。
狐のような風貌。
額にはルビーの宝石がついていた。
それぞれ、武器を構えて呼吸を整えた。
「行くぞ!!」
フィンレーのかけ声とともに
3人は、前へと立ち向かって行く。
物陰に隠れて、小人たちは見守っていた。