翡翠の紋章
第22話
騎士のフィンレーとスカーレット、
小人のレクエペとケラット、
メンフィリア帝国の王女兼魔法使いの
ソフィア5人を背中に乗せたオピンニクスは、
火山の入口前に飛び降りると
すぐにフィンレーの
宝石へと吸い込まれていく。
体力を消耗したようで、
無言で戻って行った。
「着いたわね。」
「どこかにレッドドラゴンがいるのね。
この中は洞窟になっているみたい。
マグマに落ちないように気をつけないと
いけないわね。」
「人口的に作られてるところもあるようだ。
はしごとか、橋とかかけられているぞ。」
フィンレーはマップを確認した。
目的地のモンスターのマークはもちろん、
はしごの数や橋の数など
丁寧に表示されていた。
「マップも見ておくと安心だな。
迷子にならない。」
「最初からマップを見る癖をつけなさいよ。
いつも私だったから。」
「そうだな。気を付ける。」
スカーレットはムカムカと
フィンレーに怒る。
「あまり悠長にしてられないわ。」
ソフィアは杖を持ち替えた。
目の前におびただしい数のスラッグが
現れた。
スラッグとは、
ナメクジのことである。
小さいものから大きいものまで
たくさんのスラッグが出てきていた。
「げげげ。気持ち悪い。
ぬめぬめしてるぅ。」
レクエペがぞわぞわと震えていた。
ケラットは楽しそうと戦いに参加していた。
フィンレーは
足を交互にあげて避けていた。
「これ、どうやって倒すのよ。
剣はぬめっていて無理っしょ。」
「魔法も無理よ!!」
大きな声で答えるソフィア。
「だから、どうすりゃいいのって
言ってるのさ。」
「きっとこれよ!!」
スカーレットは、道具袋から
容器に入った白い粉を振りかけてみた。
「え?!何、それ。危ない薬?」
粉をかけたスラッグはみるみるうちに
小さくなっていく。
「塩よ、だだの塩。」
「なんでそんなもの持ってるんだよ。」
「私、食べるものにはうるさいから。
お塩がないとね。」
ウィンクをするスカーレット。
近くにいたスラッグに次々とかけた。
「ちょっと待って。
これ、全部のスラッグにかけるのは無理よ。
塩の量が足りない。
間をすり抜けるしかないじゃないの?!」
スカーレットはとりあえず周りにいる
スラッグに塩を振りかける。
「なんか、剣とか戦うんじゃないから
つまらないなぁ。」
レクエペが不満を漏らしながら、
間をすり抜けて先に進む。
スカーレットが塩を振りかけている間に
他のみんなは、次の洞窟の部屋へと
進んで行く。
マグマの池が広範囲にできていた。
いろんなところから溶岩が飛び出ていた。
体感温度が熱かった。
「かなり暑いな。
レッドドラゴンはどこにいるんだ。」
フィンレーが額の汗をぬぐうと、
祭壇の上にガラスで覆われたショーケースの中に
大きなドラゴンが飾られていた。
「これが、レッドドラゴン?!
何か厳重に保管されているのか?
剥製なのか?」
フィンレーは気になって、
ガラスに触れてみる。
その触れた瞬間にスイッチが起動したのか、
4方向に設置したガラスがバリンバリンと
割れていく。
翼を広げて、空中に飛び立ち、
こちらに向かって襲ってくる。
「もしかして、俺、ドラゴン、
起こしちゃった?」
「迂闊に触るなって言っただろう。」
オピンニクスは中から出ようとはせずに
声だけ発した。
「仕方ない。戦いましょう。」
ソフィアはやる気を出して、杖を振り上げる。
「後始末は、みんなでね!!」
「早速、ホワイトドラゴン呼んでいいですか?」
レクエペが声を上げる。
「お願い!!」
ソフィアは叫ぶ。
レクエペが短剣を振り上げて、
ホワイトドラゴンを呼んだ。
天高くから飛び降りてくる。
レクエペの横に飛び降りた。
首をぐんと振り下ろすと、
口から勢いよく、冷気を飛ばした。
効果てきめんに思われたが、
目の前にいる体が白金色のドラゴンは、
攻撃を受けるどころか回復してしまって
いる。
「え、どういうこと?!
レッドドラゴンじゃないの?
全然、冷気の攻撃が効かないじゃない?」
スカーレットが叫ぶ。
そうしてる間にドラゴンの攻撃で
口から炎のブレスが飛んできた。
全体的に攻撃されて、それぞれに
負傷してしまう。
急いで、ソフィアは仲間全員に
回復魔法を唱えた。
「ちょっと待て。
これはレッドドラゴンじゃない。
調べてみるけど……
これは、プラチナドラゴン。
通称、バハムートだ。
冷気、音、炎のブレスを使うらしい。
てことは、効かないはずだ。」
フィンレーは、額から大量の汗を流す。
「待って。そしたら、
無属性魔法なら使えるわ。
やってみる。」
ソフィアは続けて、魔法を唱えた。
『ホーリーテンペスト!!』
プラチナドラゴンに向けて唱えた。
大ダメージを与えることができたが、
まだHPは残っているようだ。
「物理攻撃もやってみるぞ。」
フィンレーは、剣を背中の鞘から抜いて、
立ち向かう。
スカーレットは、反対方向から、
剣を向けて、
切りかかっていく。
小人たちは、何もお役に立てないと
自信を無くして影で見ていた。
どうにか、もう一度ソフィアが魔法を唱えて、
最後の攻撃をすることができ、あっという間に
砂でかき消されていく。
「終わった。
やった。
強いドラゴン倒した。」
「まだ終わりじゃないぞ。」
オピンニクスが言う。
すると、祭壇の上の方から、
エレベーターのように
ガラスのショーケースが
降りて来た。
中には血のように
真っ赤なドラゴンが
目を閉じている。
「まさか、これがレッドドラゴン。」
何も触れることなく、ガラスは4つ方向に
バリンと割れていく。
戦いの火ぶたが落とされた。
みな、扇形の位置から戦闘対戦に入る。
溶岩が吹きあがる。
小人のレクエペとケラット、
メンフィリア帝国の王女兼魔法使いの
ソフィア5人を背中に乗せたオピンニクスは、
火山の入口前に飛び降りると
すぐにフィンレーの
宝石へと吸い込まれていく。
体力を消耗したようで、
無言で戻って行った。
「着いたわね。」
「どこかにレッドドラゴンがいるのね。
この中は洞窟になっているみたい。
マグマに落ちないように気をつけないと
いけないわね。」
「人口的に作られてるところもあるようだ。
はしごとか、橋とかかけられているぞ。」
フィンレーはマップを確認した。
目的地のモンスターのマークはもちろん、
はしごの数や橋の数など
丁寧に表示されていた。
「マップも見ておくと安心だな。
迷子にならない。」
「最初からマップを見る癖をつけなさいよ。
いつも私だったから。」
「そうだな。気を付ける。」
スカーレットはムカムカと
フィンレーに怒る。
「あまり悠長にしてられないわ。」
ソフィアは杖を持ち替えた。
目の前におびただしい数のスラッグが
現れた。
スラッグとは、
ナメクジのことである。
小さいものから大きいものまで
たくさんのスラッグが出てきていた。
「げげげ。気持ち悪い。
ぬめぬめしてるぅ。」
レクエペがぞわぞわと震えていた。
ケラットは楽しそうと戦いに参加していた。
フィンレーは
足を交互にあげて避けていた。
「これ、どうやって倒すのよ。
剣はぬめっていて無理っしょ。」
「魔法も無理よ!!」
大きな声で答えるソフィア。
「だから、どうすりゃいいのって
言ってるのさ。」
「きっとこれよ!!」
スカーレットは、道具袋から
容器に入った白い粉を振りかけてみた。
「え?!何、それ。危ない薬?」
粉をかけたスラッグはみるみるうちに
小さくなっていく。
「塩よ、だだの塩。」
「なんでそんなもの持ってるんだよ。」
「私、食べるものにはうるさいから。
お塩がないとね。」
ウィンクをするスカーレット。
近くにいたスラッグに次々とかけた。
「ちょっと待って。
これ、全部のスラッグにかけるのは無理よ。
塩の量が足りない。
間をすり抜けるしかないじゃないの?!」
スカーレットはとりあえず周りにいる
スラッグに塩を振りかける。
「なんか、剣とか戦うんじゃないから
つまらないなぁ。」
レクエペが不満を漏らしながら、
間をすり抜けて先に進む。
スカーレットが塩を振りかけている間に
他のみんなは、次の洞窟の部屋へと
進んで行く。
マグマの池が広範囲にできていた。
いろんなところから溶岩が飛び出ていた。
体感温度が熱かった。
「かなり暑いな。
レッドドラゴンはどこにいるんだ。」
フィンレーが額の汗をぬぐうと、
祭壇の上にガラスで覆われたショーケースの中に
大きなドラゴンが飾られていた。
「これが、レッドドラゴン?!
何か厳重に保管されているのか?
剥製なのか?」
フィンレーは気になって、
ガラスに触れてみる。
その触れた瞬間にスイッチが起動したのか、
4方向に設置したガラスがバリンバリンと
割れていく。
翼を広げて、空中に飛び立ち、
こちらに向かって襲ってくる。
「もしかして、俺、ドラゴン、
起こしちゃった?」
「迂闊に触るなって言っただろう。」
オピンニクスは中から出ようとはせずに
声だけ発した。
「仕方ない。戦いましょう。」
ソフィアはやる気を出して、杖を振り上げる。
「後始末は、みんなでね!!」
「早速、ホワイトドラゴン呼んでいいですか?」
レクエペが声を上げる。
「お願い!!」
ソフィアは叫ぶ。
レクエペが短剣を振り上げて、
ホワイトドラゴンを呼んだ。
天高くから飛び降りてくる。
レクエペの横に飛び降りた。
首をぐんと振り下ろすと、
口から勢いよく、冷気を飛ばした。
効果てきめんに思われたが、
目の前にいる体が白金色のドラゴンは、
攻撃を受けるどころか回復してしまって
いる。
「え、どういうこと?!
レッドドラゴンじゃないの?
全然、冷気の攻撃が効かないじゃない?」
スカーレットが叫ぶ。
そうしてる間にドラゴンの攻撃で
口から炎のブレスが飛んできた。
全体的に攻撃されて、それぞれに
負傷してしまう。
急いで、ソフィアは仲間全員に
回復魔法を唱えた。
「ちょっと待て。
これはレッドドラゴンじゃない。
調べてみるけど……
これは、プラチナドラゴン。
通称、バハムートだ。
冷気、音、炎のブレスを使うらしい。
てことは、効かないはずだ。」
フィンレーは、額から大量の汗を流す。
「待って。そしたら、
無属性魔法なら使えるわ。
やってみる。」
ソフィアは続けて、魔法を唱えた。
『ホーリーテンペスト!!』
プラチナドラゴンに向けて唱えた。
大ダメージを与えることができたが、
まだHPは残っているようだ。
「物理攻撃もやってみるぞ。」
フィンレーは、剣を背中の鞘から抜いて、
立ち向かう。
スカーレットは、反対方向から、
剣を向けて、
切りかかっていく。
小人たちは、何もお役に立てないと
自信を無くして影で見ていた。
どうにか、もう一度ソフィアが魔法を唱えて、
最後の攻撃をすることができ、あっという間に
砂でかき消されていく。
「終わった。
やった。
強いドラゴン倒した。」
「まだ終わりじゃないぞ。」
オピンニクスが言う。
すると、祭壇の上の方から、
エレベーターのように
ガラスのショーケースが
降りて来た。
中には血のように
真っ赤なドラゴンが
目を閉じている。
「まさか、これがレッドドラゴン。」
何も触れることなく、ガラスは4つ方向に
バリンと割れていく。
戦いの火ぶたが落とされた。
みな、扇形の位置から戦闘対戦に入る。
溶岩が吹きあがる。