翡翠の紋章
第37話
かき集めた翡翠のかけらが輝き始めたため、
フィンレーは、透明な花瓶の中から両手のひらに
出してみた。
何か起きるのではないかと
じーっとしばらく見つめてみた。
「これ、どれくらいこうしてなきゃいけないの?」
輝き続けてはいるが、何も反応しない。
手のひらに出してから半日はかかっていた。
「いや、まだだ。
何かあるかもしれない。」
フィンレーの目がものすごく血走っていた。
「ねぇ、もうあきらめよう、フィンレー。」
スカーレットがフィンレーの肩を触れる。
「フィンレー、
夢を壊すようで申し訳ないって
思っちゃうけどさ、
願いが叶うって話。
違うと思うよ?」
ソフィアがボソッと言う。
「ルァントが
呪われたようになったとかもあるけど、
あの人の陰謀は前からあったと思うし、
翡翠の紋章があってもなくても、
お父さんのことは恨んでいたと思う。
因縁なのよ。あの2人。」
「え?!それが現実!?」
フィンレーが顎が外れるくらいに口を開けては
がっかりした。
「ねぇ、ソフィア、因縁って?」
「お父さんとルァントは、
お母さんを取り合った
ライバルだから…。
どうしてそんな人を側近にって思うけど、
それはお父さんにしかわからないかも。」
「申し訳なさからってことでしょうか。」
レクエペは顎に指をつけて考える。
「それも可能性としてはありね。」
「え、ちょっと待って。
街で噂になってた翡翠を持つと願いが叶うって
話は全部嘘だったの?」
「……ネタバラシしちゃうと、
実際は叶わないのよ。
騎士たちのやる気出させるために
ついた嘘って可能性があるかも。
魔法は使えたりするけど、
なんでも叶うことは無いわ。
それをルァントも信じていたから、
ショックだったかも?
あれ、でもさっきすごい光ったよね?」
「ああ、そうだよ。
このお城を壊したのもこの翡翠の力じゃないのか?」
「わからない。
こんなにバラバラになってるし。
魔法の力は失ったのかもしれないわ。」
フィンレーは、また翡翠のかけらを
花瓶の中に入れてみた。
いつまでも、緑色に輝き続けていた。
「力を出し切ったってことかもしれないな。」
「そうね。
でも、これから、
メンフィリアを再建していかないと。
みんな協力してくれるかな?」
「いいんですか?
僕たちも混ざって。」
レクエペはジャンプして喜んだ。
「もちろん。
仲間が増えたから。」
「ソフィアが王女として、
メンフィリアを作っていくんだな。」
フィンレーは胡坐をかいて、にこにこと見る。
「何、言ってるの?」
フィンレーの両肩をポンポンとたたく。
「今日から、フィンレー王が
メンフィリアを立て直します!」
「は?なんで?俺?
まだ騎士の試験も合格してない人に言う?」
「だって、お父さんに言われたんじゃないの?」
「え、なんで知ってるの?
スカーレット?
レクエペ?
俺、ソフィアにそんなこと言ってないよな?」
スカーレットとレクエペは首を横に振った。
「え、んじゃ、誰よ。
ケラット?」
ケラットも思いっきり首を振る。
「だから、俺に王になる資格ないって。
責任重すぎるわ。」
「フィンレーって
名前聞いて、
知っていたのよ。
王族の息子って。
城下町に住んでいるってのも知ってたし。」
「え?何それ。
どういうこと?
一番本人がわかってませんけど?」
とまどいを隠せない。
崩れた王座の間の奥の方から、
写真立てを探して持って来た。
「ほら、家族写真に写ってるよ。
小さい頃だけど。
私が赤ちゃんの頃。」
寝ぐせをつけた3歳くらいの
フィンレーが
ソフィアを抱っこした妃の
下に服のすそを
握りしめて泣きそうな顔をして
映っていた。
「え、なんで?」
「いろんな事情があって、離れ離れに
過ごさなきゃいけなかったみたいんなんだよね。
騎士になりたいって本気で思わせたかったお父さんが、
フィンレーのシナリオを作った訳。
ごく一般家庭から騎士になるって方がやる気増すでしょう。」
「はぁああああ?!嘘だよ。
んじゃ、あの父さんや母さんは、
血のつながってないってこと?
まさかぁ。んなわけないない。
どんな夢見てるんだか。」
「王になる資格は、フィンレー。
あなたよ。
義理関係らしいけど、
私のお兄ちゃんらしいわ。」
「マジで?!
ソフィアが妹?
急に言われて
はい、そうですかってならないから。
……ちょっと頭冷やしてくる。」
フィンレーは、頭の中がごちゃごちゃしてきた。
その場から離れて気持ちを切り替えに
砂漠フィールドに向かった。
フィンレーは、透明な花瓶の中から両手のひらに
出してみた。
何か起きるのではないかと
じーっとしばらく見つめてみた。
「これ、どれくらいこうしてなきゃいけないの?」
輝き続けてはいるが、何も反応しない。
手のひらに出してから半日はかかっていた。
「いや、まだだ。
何かあるかもしれない。」
フィンレーの目がものすごく血走っていた。
「ねぇ、もうあきらめよう、フィンレー。」
スカーレットがフィンレーの肩を触れる。
「フィンレー、
夢を壊すようで申し訳ないって
思っちゃうけどさ、
願いが叶うって話。
違うと思うよ?」
ソフィアがボソッと言う。
「ルァントが
呪われたようになったとかもあるけど、
あの人の陰謀は前からあったと思うし、
翡翠の紋章があってもなくても、
お父さんのことは恨んでいたと思う。
因縁なのよ。あの2人。」
「え?!それが現実!?」
フィンレーが顎が外れるくらいに口を開けては
がっかりした。
「ねぇ、ソフィア、因縁って?」
「お父さんとルァントは、
お母さんを取り合った
ライバルだから…。
どうしてそんな人を側近にって思うけど、
それはお父さんにしかわからないかも。」
「申し訳なさからってことでしょうか。」
レクエペは顎に指をつけて考える。
「それも可能性としてはありね。」
「え、ちょっと待って。
街で噂になってた翡翠を持つと願いが叶うって
話は全部嘘だったの?」
「……ネタバラシしちゃうと、
実際は叶わないのよ。
騎士たちのやる気出させるために
ついた嘘って可能性があるかも。
魔法は使えたりするけど、
なんでも叶うことは無いわ。
それをルァントも信じていたから、
ショックだったかも?
あれ、でもさっきすごい光ったよね?」
「ああ、そうだよ。
このお城を壊したのもこの翡翠の力じゃないのか?」
「わからない。
こんなにバラバラになってるし。
魔法の力は失ったのかもしれないわ。」
フィンレーは、また翡翠のかけらを
花瓶の中に入れてみた。
いつまでも、緑色に輝き続けていた。
「力を出し切ったってことかもしれないな。」
「そうね。
でも、これから、
メンフィリアを再建していかないと。
みんな協力してくれるかな?」
「いいんですか?
僕たちも混ざって。」
レクエペはジャンプして喜んだ。
「もちろん。
仲間が増えたから。」
「ソフィアが王女として、
メンフィリアを作っていくんだな。」
フィンレーは胡坐をかいて、にこにこと見る。
「何、言ってるの?」
フィンレーの両肩をポンポンとたたく。
「今日から、フィンレー王が
メンフィリアを立て直します!」
「は?なんで?俺?
まだ騎士の試験も合格してない人に言う?」
「だって、お父さんに言われたんじゃないの?」
「え、なんで知ってるの?
スカーレット?
レクエペ?
俺、ソフィアにそんなこと言ってないよな?」
スカーレットとレクエペは首を横に振った。
「え、んじゃ、誰よ。
ケラット?」
ケラットも思いっきり首を振る。
「だから、俺に王になる資格ないって。
責任重すぎるわ。」
「フィンレーって
名前聞いて、
知っていたのよ。
王族の息子って。
城下町に住んでいるってのも知ってたし。」
「え?何それ。
どういうこと?
一番本人がわかってませんけど?」
とまどいを隠せない。
崩れた王座の間の奥の方から、
写真立てを探して持って来た。
「ほら、家族写真に写ってるよ。
小さい頃だけど。
私が赤ちゃんの頃。」
寝ぐせをつけた3歳くらいの
フィンレーが
ソフィアを抱っこした妃の
下に服のすそを
握りしめて泣きそうな顔をして
映っていた。
「え、なんで?」
「いろんな事情があって、離れ離れに
過ごさなきゃいけなかったみたいんなんだよね。
騎士になりたいって本気で思わせたかったお父さんが、
フィンレーのシナリオを作った訳。
ごく一般家庭から騎士になるって方がやる気増すでしょう。」
「はぁああああ?!嘘だよ。
んじゃ、あの父さんや母さんは、
血のつながってないってこと?
まさかぁ。んなわけないない。
どんな夢見てるんだか。」
「王になる資格は、フィンレー。
あなたよ。
義理関係らしいけど、
私のお兄ちゃんらしいわ。」
「マジで?!
ソフィアが妹?
急に言われて
はい、そうですかってならないから。
……ちょっと頭冷やしてくる。」
フィンレーは、頭の中がごちゃごちゃしてきた。
その場から離れて気持ちを切り替えに
砂漠フィールドに向かった。