ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
近藤の額に、しわがより深く刻まれた。

「そう、だから、親にチクっても無駄ってこと。
<あら、そうでしたか?>で終わるだけ」

アンジュは勝ち誇ったように言いつのったが、その瞳は暗い。

「だから、私は帰る!!」

アンジュが立ちあがろうとした時、

「ギャゥ!!足・・足・・痛い!ジンジンするぅ!!」

悲鳴が上がり、床に転がった。

床にひっくり返ったアンジュのスカートはまくれ上がり、足をバタバタさせている。

グレーのボクサーショーツが丸見えだ。

「よしっ!日本語でラッキースケベ!ってやつだな」

久遠は初めてやる気のある声で叫び、ガッツポーズをした。

「まったく!!何を言っているのですか」

近藤は素早く立ち上がると、自分の上着を脱いで、アンジュの腰に広げて隠した。

「足・・足・・ジンジンする。
何とかしてぇ!!」

アンジュはまだ足をバタバタさせて、水に溺れる人のように騒いでいる。

「久遠、腕を押さえてください。
足首をマッサージしますから」

「ハイハイ、お姫様、日本式のお仕置きは初めてだからね」

久遠は立ち上がり、アンジュの後ろに回り、羽交い絞めするように腕をまわした。
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