ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
「伯爵が・・取りあえず、環境を変えたほうがいいとおっしゃって。
久遠のところで、しばらく面倒をみて欲しいとのことです。

パスポートや身の回りの物、執事が持ってくると言っていますが」

「え・・だってさ、俺、エミリアと約束しているし・・」

さすがに久遠が絶句している。

近藤も眉をひそめた。

娘が犯罪に巻き込まれそうになったのに・・
なんで来ないのか!

「私はこのまま、空港に直行しますので・・」

近藤が半分腰を浮かしたが、アンジュがしがみついているので、少し体をよじったままだった。

久遠はくっついている二人を、まじまじと見て

「じゃーーさーー、近藤がアンジュを連れていけよ。
どうせ、日本に帰るんだし。
1週間くらい面倒をみて?」

「それって、業務命令ですかっ!!」

近藤は目を吊り上げて、強い口調で久遠に食ってかかった。

「まぁ、エラール伯爵のとこは・・うちの大事な取引先だしぃ。
ある意味、接待と言えるかな?」

「アンジュ、近藤なら心配ない。
安心して?いいね」

怒る近藤を無視して、久遠はひざまずいて、アンジュの手を自分の手で包み込んだ。

「日本に、行きたいって言っていただろう?」

アンジュがコクンとうなずいたのを確認すると、久遠は近藤に業務命令を出した。
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