ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
姫の攻撃はピンク色
羽田についたのは、夜遅くだった。
近藤はぼんやりしている姫君の腕を取り、タクシーターミナルにたどりついた。
「ホテルを取りましょう。
あなたがチェックインしたら、私は失礼しますので」
「いやっ!!一人!!
コワイ!!日本語わからない!!」
姫君は、近藤の腕にしがみついた。
取りあえず、タクシーターミナルに向かうため、近藤は姫君の小さな赤いスーツケースをキャスターで転がしていく。
姫君が片腕にへばりついているが、無理にはがす事もできない。
ああああ・・どーするか・・
オンナ友達とかいれば、頼めるんだが・・
そんな都合のよい、女の手持ちは近藤にない。
困った事にアンジュのスマホは、警察に証拠品として提出してしまっている。
現金決済と国際電話のツールが無い状態だ。
近藤は額に手をやり、悩んでいるうちに、タクシーの空車が来た。
「わかりました・・
今晩だけ・・私の家でいいですか?」
後部座席に乗り込むと、運転手が聞いてきた。
「どちらまで・・?」
バックミラー越しに、運転手の興味ありそうな視線を感じる。
外国人の美少女がべったりくっついている、30過ぎたリーマンの関係は、いかなるものか。
パパ活・・?
近藤は咳払いをして、自分のマンションの住所をつげた。
1LDKなので、寝室はお姫様が使えばいいし、自分はリビングに寝ればいい。
そうだ・・
ベッドの枕カバーとシーツを替えなくては。
新品の毛布が1枚あったはずだ。
今晩、しのげればいい。