ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
陶磁器のような肌が、ピンクに染まっている。

これは・・メチャクチャ・・
エロイだろう・・

ググッ・・ゲホッ

近藤はビールの炭酸でむせた。

殺伐とした独身わび住まいに、大きなピンク色がいきなり降臨したという感じか。

「お茶を・・どうぞ」

近藤は動揺を悟られないように、キッチンから、距離を取って声をかけた。

「ありがとう。おやすみなさい」

姫君はそう答え、ローテーブルに置いてあったペットボトルを持った。

それは優雅で、美しい所作のように見えた。

パタン

そのまま、寝室の引き戸が閉められた。

はぁーーーー、

近藤が大きく息を吐いて、ソファーに寝っ転がった。

ギリギリのライン・・

あれも、ラッキースケベのひとつなのか・・?

起き上がり、残ったビールを一気飲みした。

俺も風呂入って・・早く寝よう。

明日は仕事だし、お姫様の日本滞在計画を何とかしなくてはならない。

近藤が、洗面所のドアを開けた瞬間、

おおおお・・

声にならない、うめくような響きが出てしまう。

そこはジャスミンの花の香りで満ちていた。

洗面台には、見慣れない化粧品が、所せましと並んでいる。
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