ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
昨夜は、べったりくっつかれたので、そのけん制の意味を込めて
説明した。

「ふーーん、そーなのぉ?」

姫君は素直にうなずいたので、
車をハンバーガーチェーンのドライブスルーに向けた。

「朝食は車内で・・
ここから、高速で2時間くらいかかりますから」

「うん、いいよ」

姫君は、窓ガラス越しに流れていく、日本の田舎の風景を珍し気に眺めている。

ついでに子リスのように、ハンバーガーを両手に持って、時折モグモグ咀嚼する。

車内は、ラジオ音楽が流れていたのだが・・

「ねぇ・・アニソンがいい。
日本のアニソン、聞きたい!」

食べ終わった姫君が御所望した。

「わかりました」

それからは・・
車内はカラオケルームになってしまった。

近藤はジェネレーションギャップを感じつつ、
まぁ、年齢が一回り以上違うのだから、仕方ない。

接待ならば、つきあうしかないのだ。
接待・・

社畜である自分を意識したのと同時に、熱狂してアニソンを歌っている姫君と、どこまでつきあえるのか不安を覚えた。

高速を降りて、田舎道を走ると、山がどんどん近くなる。

そして片側が崖、反対が山の斜面になっている、砂利の細い道を進む。
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