ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
菅原一家のおもてなしは、暖かかった。
よほどうれしかったのだろう、
姫の声ははずんでいた。

「すんごく楽しかった!おいしかった!」

「それは・・よかったです」

うねうねとカーブの続く山道を、慎重に下りながら、近藤が答えた。

天空に垂直の直線が連なる竹林は、エキゾチックで美しい。

霧がかかったら、それこそ昔話の世界だろう。

そして、姫・・そう姫だが・・

近藤は、洗面所の洗濯機を思い浮かべた。

あのピンクのブツはそのままだ。

取りあえず、家に戻って荷物をまとめさせて・・
ホテルへの移動はそれからになる。

高速が渋滞していたので、帰宅は深夜近くになっていた。

「はぁ・・タダイマ・・ですぅ」

近藤が鍵を開けると、姫君が先に入った。

「シャワー、オサキに失礼しますぅ」

そう宣言すると、さっさと洗面所を占領してしまった。

近藤もよれよれで、疲れ切っていた。
もう、どうでもいい。

これから、ホテル移動は無理だ。

寝たい・・
その思いでソファーに寝っ転がり目を閉じた。

「コンドー・・コンドー!!
風邪ひくよ」

薄目を開けると、ピンクの姫が
ほわほわのオーラをまとい、覗き込んでいた。

「毛布・・持って来た」

そのギリギリのラインは・・
目のやり場に困るのだが・・
近藤は毛布を受け取った。

「その・・」
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