ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)

洗濯機のブツはピンクだけではなかった

最後の仕事は・・
何としてもやり遂げねばならない。

「洗濯機の使い方を、説明しますから・・」

近藤はできるだけ姫を見ないように、額を押さえて、立ち上がった。

「ここがスイッチ、洗剤と柔軟剤はここに入れて・・
それで、スタートボタンを押して」

「うん、わかった」

姫君は、洗濯機の中をのぞき込んだ。

「では、すぐにやってください。
終わったら、私が使いますから」

近藤はそう言い終わると、
冷蔵庫に直行してビールの缶をつかんで、ソファーに座り込んだ。

近藤が次に目を開けたのは・・
夜中の3時だった。

毛布をはいで、何とか立ち上がった。
隣の寝室は、しんと静まり返っている。

スーツも、ワイシャツもネクタイも、すべてがズタボロで、それでも最後の力を振り絞って洗面所に向かった。

風呂に入って、煙草を吸って寝るしかない。
.
洗面所の明かりをつけると、まず洗濯機のふたを開けた。

<なんということでしょう・・>

あのナレーションが脳内に響く

洗濯層の中にはピンク・ブルー・ホワイトのレースのブラジャーとパンティが、ねじりあって壁面にへばりついていたのだ。

干していない・・のだ
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