ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)

かぐや姫、迷子になる


腕時計は、18時を指している。

近藤はグレーのTシャツ、紺の綿ジャケット、ジーンズ姿で、神社の鳥居の側に立っていた。

親子づれ、カップル、友達同士・・

様々な人が鳥居から参道に吸い込まれていく。

境内はうす暗く、提灯の明かりが、すでに祭りの高揚感を演出していた。

そこに、焼きそば、たこ焼きのソースの焦げた香ばしい匂いと、
ベビーカステラの甘い匂いも混じる。

「コンドー!!来たよ!!」

向かいの道路で駐車している車の窓から、笑顔の姫君が、大きく手を振っているのが見える。

姫君を降ろすと、秘書課の女性が、軽く会釈をして、車を発進させた。
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