ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
近藤は焦って振り向いたが、
姫がいない!!

どこも人混みで、ごった返している。
心臓が鉄の指でギリギリ締め付けられるように、呼吸が浅くなる。

問題なのは、姫君はスマホを持っていないから、連絡手段がない事だ。

自分のホテルの場所を、わかっているだろうか。
一人でタクシーを捕まえて、戻れるだろうか?

また、ヘンな奴らにからまれたら・・
それこそ国際問題になる!!

近藤は、一度、呼吸を深くして、どのように探索すべきか判断した。

迷ったら、最初の位置に戻るか、その場でとどまるのが鉄則だ。

ドドーーーン、

大きな爆発音とともに、花火が上がった。

ワァーーー

人々の歓声と、拍手があがる。

近藤は、上を向いている人々をかきわけて、ミルクティーの頭を探した。

ここで一番の目印になるところ・・
入り口の鳥居だ!!

主催者の受付テントが、入り口にあったはずだ。
そこでは迷子の受付もする。

逆流する人波をかきわけ、かきわけ、近藤は鳥居を目指した。

自分のミスで、大切なものを失ってしまった。
苦々しい思いが、濁流のように押し寄せる。
< 45 / 54 >

この作品をシェア

pagetop