ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)

そこはピンク色の世界

そこはピンク色の世界で、近藤は一人で、綿あめのふわふわの上を歩いている。

たよりなく、すぐにでも埋もれてしまいそうな感覚だ。

その先に・・

ピンクとブルーとホワイトが絡まり合った渦が、グルグル巻いて見える。

そこ行かなくてはならない。

なぜなら・・
彼女が待っているから。

「翔太さん・・?大丈夫?」

近藤が薄目を開けた。

「母さん・・なんで?」

近藤の母親が、ほっとしたようにベッドのそばの椅子に座った。

「あなた、倒れたのよ。それで救急車で運ばれて・・」

ああ、そうなのか・・

首を傾けると、左手には点滴の針が刺さっているのが見えた。

「アンジュは・・!!」

近藤が起き上がろうとしたが、
目がまわり、ベッドに沈み込んだ。

「もう、無理をしないで!!
アンジュって、あの外国のお嬢さんでしょう。
まだ、待合室にいるけど・・
ショックだったみたいで、泣いていてね・・」

母親は頬に手をあてた。

「あなたは、今晩は入院で、
明日、精密検査をするそうよ。
たぶん過労か、貧血だろうとお医者様はおっしゃったけど。
問題なければ、明日の午後には退院できるって」
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