ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
近藤は、白っぽいポツポツ穴のあいている天井を見つめて、言った。

「母さん、悪いけど・・
今晩、アンジュを家に連れて帰ってくれないかな。
一人にしておくのが心配なんだ」

「まぁ、別にいいけど・・」

母親は息子の意図がつかめず、
少し首を傾げた。

「あと、本社のほうに転勤希望を出すつもり。
もし、通れば、しばらく日本には戻って来れない」

近藤は一呼吸置いた。

母親は頬に手を当てて、
再度、首を傾げた。

「あのお嬢さん、ずいぶん若いようだけど・・、
あなたもいい大人なのだから、親はなにも言えないけどね」

さすがに母親の勘は鋭いな・・

父親の道場を、切り盛りする影の権力者だ。

なかなか結婚を切り出さない父親の足を払って、土下座をさせたという伝説を持つ女傑なのだ。

近藤は額に手をやり、自分は姫の何になりたいのか考えていた。

保護者?
友人?
従者?

ずっと一緒にいて・・家族になって、

だから・・

「結婚したい・・オヤジは反対するかな・・?」

母親が、ふふっと笑った。
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