ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
違法賭博・・それも制服の女の子ばかり・・

男はいなさそうだ。

近藤は玄関ドアをそっと閉めて、手すりに座っている久遠に報告をした。

「未成年者の女の子が5~6人います。
それも制服ですが・・
酒、たばこ、ギャンブルをやって遊んでいるようですね」

「なんと、たまり場になっていたのか」

久遠はアメリカ人っぽく、肩をすくめるジェスチャーをした。

「俺らも若い時、結構やったけどな。あん時は楽しかった・・」

「思い出に浸っている時じゃないでしょ!!どうしますかっ!」

近藤のイライラを察したのか、
久遠は

「んじゃ、ガキだから、蹴散らせばいいんじゃない。
近所の目もあるし、大事にはしたくないな」

「そうですね。取りあえず追い出します!」

そう言って、すぐに近藤はバンッッと玄関ドアを開けた。

「お前ら、不法侵入だ!!警察を呼ぶぞ!!」

近藤の怒鳴り声は、少女たちの嬌声より迫力があったのか、
いっせいに、玄関ドアに立つ男二人に注目の視線が向いた。

こういう時の近藤は容赦しない。

居間まで、つかつかと入ると、
中腰で逃げる態勢になった少女たちにわざと聞こえるように

「久遠、すぐに警察を呼んでください。」
「OK」

久遠が、少女たちに見せつけるように、ジーンズの尻ポケットからスマホを取り出した。

それと同時に、少女たちはいっせいに、
いや一人を除き、蜘蛛の子を散らすように、キッチンから裏庭、
小さな木戸から裏通りに逃げて行った。
< 5 / 54 >

この作品をシェア

pagetop