ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
近藤、告白する
「翔太さん、入るわよ」
母親の声とともに、引き戸が開けられた。
その隣に肩を抱かれるように、
ボサボサのツインテールで、目が赤くなっているアンジュが入って来た。
「私は待合室で待っているから・・
早めに切り上げてね」
母親がそう言うと、引き戸を閉めて立ち去った。
姫君は一人、身の置きどころがないように、引き戸のところで立ちすくんでいる。
「大丈夫だから・・
心配をかけてしまった」
近藤が声をかけると、
ベッドサイドまで小走りで来て、しゃがみ込んだ。
「ごめんなさい・・
私がいろいろ言って、迷惑かけて・・
だから、コンドーは病気になっちゃったんでしょう!!」
グフグフと泣き出した。
「だから、私はうちに帰るから、早く元気になって・・」
近藤は泣きじゃくっている姫君のミルクティーの頭に手を置いた。
「帰るのなら・・一緒に行きます」
「え・・?」
近藤は少し手をずらし、姫君の頬に指先をあてた。
「もう、あなたをひとりにはしません」
あの、体が張り裂けるような・・痛みを伴う感覚が何なのか・・
今はわかる。
近藤は大きく息を吐いた。
「一緒に暮らしましょう」
「それって、ルームシェア?」
そうきたか・・・
想定外の答えに、近藤は苦笑した。
「まぁ、それから初めてもいいですけどね」
それから、姫君の手に、重なるように自分の手を置いた。
「大きな物件は借りられないです。
あと、車も小さいし・・
あと、料理は簡単なものしかできないし・・パスタとか」