ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
ああ、なんか言い訳ぽくなってきているな・・

「仕事が忙しくなると、帰りは遅くなるけど、週末は必ずどこかに出かけましょう」

近藤は指先で、姫君の髪の一房をくるりと巻き、唇をつけた。

「その・・キスと・・その先もあり?」

姫君はハンカチを握りしめて、
自分の質問に真っ赤になった。

近藤はその手を取り、指に唇をつけた。

「そうですね・・
でも、まずエラール伯爵に、正式に挨拶をしておかなくてはなりませんね」

その近藤の気真面目さに、姫君はクッと吹き出した。

「ああ・・それはたぶん、ノープロブレムって言うと思うけど。
お前がいいなら・・問題ないってね」

「あとねっ!着物も着たいの!」

姫君の声がはずんだ。

「母が着付けもするから、頼んでみましょう」

「うん・・楽しみ・・」

次は、唇に・・
そのピンクの世界を堪能したい・・
近藤が上半身を起こそうとした時

コンコン

その音で、
姫君はガバッと身を引いて、
ベッド脇の椅子に座りなおした。

頬が赤いのをごまかすように、
ハンカチで隠している。

近藤は布団をひき上げて、天井を見ているふりをした。

「翔太さん、面会時間は終わりですって」
< 52 / 54 >

この作品をシェア

pagetop