ピンクの姫が無自覚攻撃を繰り出すので、ブルーの侍が困惑しています(アンジュと近藤)
素行不良の姫君
一人残った少女は、皆が逃げた後も、ゆっくりとたばこをくゆらせた。
「あんたたちのほうが、不法侵入になる。
ここはパパの持ち物だから」
そして、挑戦的なまなざしで久遠を見た。
その大きな瞳は、矢車草の青紫だ。
極上のサファイアブルー。
鼻は少し上を向いて、ピンクの唇はとんがっている。
ミルクティー色のクルクルの柔らかな巻き髪は、天使を思い起こさせた。
頬も酒のせいか、ピンクに染まっている。
久遠はふっと笑って
「ああ、アンジュ、ひさしぶりだね。
ここは君の秘密基地だったのか。でも・・」
久遠がアンジュの指から煙草を
ひょいと取り上げ、自分の口にくわえた。
「君のパパがね、ここを売ったんだ。
しかし、昼間から学校をさぼって、酒盛りパーティとはよくないね」