辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
(ネギっぽい野菜はあるから、たぶん油淋鶏も作れるし、チキン南蛮もいけるな……)

 と、うっかり自分の考えに沈み込んでしまった。

「森の中に入ったら、僕からは離れないようにしてくださいね」
「メルにぃにと一緒?」
「うん。エルを守るのに、僕の結界が必要になりますからね」

 なるほど、とエルはうなずいた。

 そう言えば、このところメルリノは以前ほど考え込んでいる様子を見せなくなったような。その代わり、剣術に費やす時間が幾分増えたらしい。

 結界魔術で自分の身を守りつつ、剣術で攻撃できたら最強だろう。攻撃は最高の防御――とは、ちょっと違うか。

 でも、メルリノが一緒に来てくれるのなら、エルとしても安心だ。

「メルにぃにと、一緒。わかった」

 重々しくうなずいておく。メルリノの結界魔術については、身をもって経験済みだ。彼と一緒に行けば問題ない。

「では、しゅっぱーつ!」

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