辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
 煙に耐性を持っている蜂もいるそうで、さらにメルリノが眠りの魔術を巣を中心に展開していく。

「おおお……」

 手際よくブラストビーを眠りにつかせるのを、エルはアルドに抱き上げられたまま、感心して見つめていた。これだけ手際よく集められるのなら、たしかに辺境では蜂蜜はさほど高価な品ではないのかもしれない。

「ねえ、アルド。蜂さん、眠らなかったらどうなる?」
「ブラストビーに攻撃されるっす。刺されるだけならまだいいんですが」
「え?」

 蜂の攻撃って刺すだけじゃなかったのか。

 ブラストビーの攻撃には、他にどんなものがあるのだろうと思っていたら、アルドはげんなりとした顔になった。

「刺すと、こいつら針が抜けるっす。針が抜けたら、攻撃手段がないんで、最終的に破裂するっすよ」
「ええええっ」

 それってすごい自爆攻撃。

 たしかにそれなら眠りにつかせて蜂蜜をいただいた方がいい。

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